FP1級の過去問を解こう(2024年9月)「ポートフォリオ理論」

FP

今回のテーマは、「ポートフォリオ理論」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)《問22》

《問22》 ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) ポートフォリオのリスクは、分散投資により消去可能な市場リスク(システマティック・リスク)と、分散投資によっても消去不可能な非市場リスク(アンシステマティック・リスク)に分けられる。
2) 危険資産である2つの資産の相関係数が1未満である場合、その2つの資産からなるポートフォリオのリスクは、それぞれの資産のリスクを組入比率で加重平均した値となる。
3) リスク回避的な投資家が、危険資産と安全資産によって構成されるポートフォリオを考える場合、分離定理によれば、危険資産の組合せは、その投資家のリスクとリターンに関する選好に依存する。
4) 資産Aと資産Bの相関係数は、資産Aと資産Bの共分散を、資産Aの標準偏差と資産Bの標準偏差を掛け合わせた値で除して算出することができる。

一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)

正解:4

それでは各肢を検討していこう。

投資のリスク・・・投資によって利益や損失が発生する「不確実性」のこと。リスクが大きいとは、「不確実性が大きい」こと。反対にリスクが小さいとは、「不確実性が小さい」こと。

1 誤り。

非市場リスク(アンシステマティック・リスク
分散投資により消去可能なリスク

市場リスク(システマティック・リスク
分散投資によっても消去不可能なリスク

本肢では、説明が逆となっている。

2 誤り。

相関係数がのとき、2つの資産はまったく同じ方向に動く。 そのため、相関係数が1のときは、ポートフォリオのリスク低減効果は無い。

危険資産である2つの資産の相関係数が1未満である場合、その2つの資産からなるポートフォリオのリスクは、それぞれの資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなる

3 誤り。

分離定理(Separation Theorem)とは、危険資産の組成が投資家のリスク選好と無関係に行われることをいう。

4 正しい。

資産Aと資産Bの相関係数=$\frac{共分散}{Aの標準偏差×Bの標準偏差}$

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