FP1級の過去問を解こう(2024年1月)「建ぺい率・容積率」

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今回のテーマは、「建ぺい率・容積率」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>(2024年1月28日実施)【第4問】

《設 例》

自営業を営むAさん(45歳)は、都心にある分譲マンションに妻と子と4人で暮らしている。子が成長し、マンションが手狭になってきたことから、戸建て住宅に住み替えたいと考えていたところ、郊外に立地する甲土地が売りに出されていることを知り、購入を検討している。なお、新築する住宅は、住宅の一部に車庫を組み込んだビルトインガレージを設けて、Aさんが趣味で購入した自動車を保管したいと考えている。
現在居住しているマンションは、12年前に新築で購入したものであり、昨今のマンション価格の高騰を受け譲渡益が発生する見込みである。
甲土地の概要は、以下のとおりである。

・甲土地は180㎡の長方形の土地であり、第一種住居地域に属する部分は75㎡、第一種低層住居専用地域に属する部分は105㎡である。
・指定建蔽率および指定容積率とは、それぞれ都市計画において定められた数値である。
・甲土地は、建蔽率の緩和について特定行政庁が指定する角地である。
・幅員15mの公道は、建築基準法第52条第9項の特定道路であり、特定道路から甲土地までの延長距離は56mである。
・特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域ではない。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。

《問61》 甲土地に戸建て住宅(準耐火建築物)を建築する場合、次の①および②に答えなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉は㎡表示とすること。なお、記載のない事項について
は考慮しないものとする。
① 建蔽率の上限となる建築面積はいくらか。
② 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。なお、特定道路までの距離による容積率制
限の緩和を考慮すること。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<応用編>【第4問】(2024年1月28日実施)改題・抜粋

正解:①123(㎡) ②300(㎡)

建蔽率

設問より、甲土地は180㎡の長方形の土地であり、第一種住居地域に属する部分は75㎡、第一種低層住居専用地域に属する部分は105㎡である。
そこで、甲土地を第一種住居地域に属する部分をA、第一種低層住居専用地域に属する部分をBとする。
用途地域ごとに計算する。

A:準防火地域
準耐火建築物を建築するので、10%加算
特定行政庁の指定した角地になるので、10%加算

B:準防火地域(厳しい方の規制)
準耐火建築物を建築するので、10%加算
特定行政庁の指定した角地になるので、10%加算

したがって、

A 75㎡ ×(60%+10%+10%) = 60㎡
B 105㎡ × (40%+10%+10%) = 63㎡
A +B =123㎡

特定道路による容積率制限の緩和
建築物の敷地が幅員15m以上の道路(建築基準法52条9項の特定道路)から70m以内にあり、建築物の敷地の前面道路の幅員が6m以上12m未満である場合は、特定道路までの距離に応じて求められる数値を前面道路の幅員に加算し、容積率の最高限度を計算することができる。

2以上の道路に面するときは、幅員が最も大きいものである。

なお、前面道路が特定道路に接続する場合の緩和は、次の①・②のうち小さい方が限度となる。
①都市計画で定められた指定容積率
②$(道路の幅員+W_{1})× 法定乗数$

$W_{1}=\dfrac{(12ーW_{2})×(70ーL)}{70}$
$W_{2}$:前面道路の幅員(m)
L:特定道路までの距離(m)

$W_{1}=\dfrac{(12mー6m)×(70mー56m)}{70m}=1.2m$

1.2mを前面道路の幅員6mに加算し、容積率の最高限度を計算する。

用途地域ごとに計算する。
A 容積率:300%  > $(6+1.2)×\frac{4}{10} = 288$% ∴288%
75㎡ × 288% = 216㎡

B 容積率:80% < $(6+1.2)×\frac{4}{10} = 288$% ∴80%
105㎡ × 80% = 84㎡

A + B = 300㎡

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