今回のテーマは、「固定利付債券の利回り(単利)」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)《問19》
《問19》 固定利付債券の利回り(単利)に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、いずれもパー発行されたものとする。
(a) アンダーパーの債券は、最終利回りが直接利回りよりも高くなる。
(b) パーの債券は、最終利回り、直接利回りおよび表面利率が等しくなる。
(c) オーバーパーの債券は、最終利回りが表面利率よりも高くなる。
1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 0(なし)
一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は執筆時点で現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
正解:2
パー 額面金額=購入金額
アンダーパー 額面金額>購入金額
オーバーパー 額面金額<購入金額
(a) 正しい。
最終利回り(%)$=\frac{利率+\frac{償還価格-購入価格}{残存期間}}{購入価格} ×100$
直接利回り(%)$=\frac{利率}{購入価格} ×100$
アンダーパーの債券は、償還差益が生じる。
最終利回りで、償還損益を表す、$\frac{償還価格-購入価格}{残存期間}$がプラスになる。
したがって、アンダーパーの債券は、最終利回りが直接利回りよりも高くなる。
(b) 正しい。
パーの債券は、償還損益が生じない。
したがって、パーの債券は、最終利回り、直接利回りおよび表面利率が等しくなる。
(c) 誤り。
オーバーパーの債券は、償還差損が生じる。
最終利回りで、償還損益を表す、$\frac{償還価格-購入価格}{残存期間}$がマイナスになる。
したがって、オーバーパーの債券は、最終利回りが表面利率よりも低くなる。
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