FP2級の過去問を解こう(2024年5月)「FPと倫理・関連法規」

FP

今回のテーマは、「FPと倫理・関連法規」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)問題1

問題 1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、職業倫理に照らし、最も適切なものはどれか。

1.顧客から賃貸アパートの建築について相談を受けたFPのAさんは、事業計画策定のための資料として、顧客から預かっていた確定申告書のコピーを顧客の同意を得ずに不動産業者に提供した。
2.顧客から生命保険の加入について相談を受けたFPのBさんは、顧客の家族構成や世帯収入を確認することなく、Bさんが得られる手数料の多い保険商品についてのみ説明し、加入を勧めた。
3.顧客から投資信託の購入について相談を受けたFPのCさんは、投資信託について、比較的少額から投資可能であることや運用の専門家により運用が行われることなどのメリットだけでなく、元本保証および利回り保証がないことなどの留意点についても説明した。
4.顧客から外貨預金による資産運用について相談を受けたFPのDさんは、この先も円安ドル高の傾向は絶対に変わらないと説明し、円建ての預金の大半をドル建ての預金に移すべきだとアドバイスした。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)

正解:3

それでは、問題を検討していこう。

1 誤り。

FPは職務上知り得た情報を、顧客の同意なく第三者に漏洩してはならない。(守秘義務の遵守

FPの職業倫理

  • 顧客利益の優先
  • 守秘義務の遵守
  • 顧客に対する説明義務(アカウンタビリティ)
  • コンプライアンス(法令遵守)の徹底

類題)顧客から住宅ローンについて相談を受けたFPのAさんは、顧客から預かった給与所得の源泉徴収票のコピーを、顧客に紹介する予定の不動産会社の担当者に顧客の同意を得ないまま渡した。✖
2級 学科試験(2023年1月22日実施)問題 1ー1

2 誤り。

FPは、常に顧客利益を優先しなければならない。(顧客利益の優先

3 正しい。

FPは、顧客に対し、提案内容等を十分に説明しなければならず、その際には、顧客が内容を理解できているかを確認しながら進めていくべき(インフォームドコンセント)である。(アカウンタビリティ

4 誤り。(金融商品取引法)

金融商品取引業者(投資助言・代理業、投資運用業)として、内閣総理大臣の登録を受けなければ、具体的な有価証券投資などの助言を行うことや、顧客から投資判断の一任を受けて投資運用を行う(投資顧問契約の締結)ことは、金融商品取引法に触れる。

本肢では、金融商品取引業者の登録を受けているか否か明らかではないが、無登録なら当然違反、登録を受けていたとしても、為替動向など不確実な事項について、「この先も円安ドル高の傾向は絶対に変わらない」などと断定的な判断を伝えることは禁じられている。

なお、新聞や雑誌、書籍などを用いて経済状況や景気動向、企業業績など、投資判断の前提となる一般的な情報を知らせることは、可能である。

類題)顧客から外貨預金での資金運用について相談を受けたFPのBさんは、円安ドル高がこの先ずっと続くため、円預金の大半をドル預金に移すべきだとアドバイスをした。✖
2級 学科試験(2023年1月22日実施)問題 1ー2

類題)金融商品取引業の登録を受けていないFPのAさんは、顧客と資産運用に関する投資顧問契約を締結したうえで、値上がりが期待できる株式の個別銘柄の購入を勧めた。✖
2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題 1ー1

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