今回のテーマは、「不動産の仮登記」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)《問34》
《問34》 不動産の仮登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 所有権移転の仮登記は、実体上の所有権移転が既に生じている場合、申請することができない。
2) 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾または仮登記を命ずる処分がない場合、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することはできない。
3) 仮登記の抹消は、仮登記上の利害関係人の承諾または仮登記の抹消を命ずる処分がない場合、当該仮登記の登記名義人が単独で申請することはできない。
4) 抵当権設定の仮登記に基づく本登記は、その本登記について登記上の利害関係を有する第三者がある場合、当該第三者の承諾がない限り、申請することができない。
一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)
正解:2
それでは、各肢を検討していこう。
1 誤り。
仮登記を申請することができる。
1号仮登記
実体上の権利変動は生じているが、本登記に必要な添付情報などの要件が揃わない場合。
(不動産登記法105条1項)
2 正しい。
仮登記についても、一般原則通り、仮登記権利者と仮登記義務者の共同申請による。
なお、仮登記権利者は、仮登記義務者(所有権の名義人等)の承諾があるときや、裁判所の仮登記を命ずる処分があるときは、単独で仮登記の申請ができる。
3 誤り。
仮登記の抹消は、仮登記義務者(または現在の所有権登記名義人)が登記権利者、仮登記権利者が登記義務者となり、共同申請が原則であるが、仮登記の登記名義人が単独で申請できる。
また、仮登記の登記名義人の承諾があれば、仮登記の登記上の利害関係人も単独で申請できる。
4 誤り。
所有権に関する仮登記を本登記にするには利害関係人の承諾が必要である。
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