今回のテーマは、「贈与」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)《問42》
《問42》 民法における贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 定期贈与とは、定期の給付を目的とする贈与であり、受贈者が死亡した場合は、その相続人に定期の給付を受ける権利が承継される。
2) 負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、受贈者の負担によって利益を受ける者は、贈与者以外の第三者とすることができる。
3) 死因贈与は、民法における遺贈に関する規定が準用され、贈与者の一方的な意思表示により成立し、贈与者の死亡によってその効力を生じる。
4) 書面によらない贈与では、履行の終わった部分について、受贈者が解除をすることはできるが、贈与者が解除をすることはできない。
一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年9月8日実施)
正解:2
それでは、各肢を検討していこう。
1 誤り。
定期贈与は、定期の給付を目的とする贈与であり、贈与者または受遺者が死亡した場合効力を失う。
贈与の種類 | 内容 |
---|---|
定期贈与 | ・定期の給付を目的とする贈与 ・贈与者または受遺者が死亡した場合効力を失う。 |
負担付贈与 | ・受遺者に一定の債務を負わせる贈与 ・受贈者が債務を履行しない場合は贈与者は負担付贈与契約を解除できる。 |
死因贈与 | ・贈与者の死亡により効力を生じる贈与 ・贈与者が生きている間に受贈者との間で締結される契約である。 ・その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用される。 |
2 正しい。
負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、受贈者の負担によって利益を受ける者は、贈与者以外の第三者とすることができる。
3 誤り。
死因贈与は、贈与者の一方的な意思表示により成立しない。
なお、贈与者の死亡により効力を生じる点は正しい。
死因贈与は、その性質に反しない限り、民法における遺贈に関する規定が準用される。
遺贈の効力のうち、当事者の権利義務に関する991条から993条までの規定と、996条から1003条までの規定は、死因贈与にも適用される。
一方、遺贈が受遺者の関与なく行われていることを考慮して定められている遺贈の承認・放棄に関する986条から989条までの規定、遺贈者の一方的な意思表示によって行われることを考慮して定められている遺贈の無効・失効に関する994条及び995条は、契約である死因贈与には妥当しない。
4 誤り。
履行の終わった部分については解除することはできない。
書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。(民法550条)
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