FP2級の過去問を解こう(2025年1月)「株式の投資指標」

株式 FP

今回のテーマは、「株式の投資指標」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年1月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年1月26日実施)問題26

問題 26
下記<資料>に基づき算出されるX社およびY社の株式の投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.ROEは、Y社よりもX社の方が高い。
2.PERは、X社よりもY社の方が高い。
3.PBRは、Y社よりもX社の方が高い。
4.配当性向は、X社よりもY社の方が高い。

正解:3

それでは、問題を検討していこう。

1 誤り。

自己資本利益率(ROE)とは
自己資本を使ってどれだけ最終利益を上げているのかを見る指標。その会社の収益力を表す。

自己資本利益率(%)(ROE) =$\frac{当期純利益}{自己資本}×100$

問題に当てはめて計算すると、
X社の自己資本利益率(%)(ROE) =$\frac{210億円}{6,000億円}×100$=3.5%
Y社の自己資本利益率(%)(ROE) =$\frac{190億円}{2,800億円}×100$=6.78%

ROEは、X社よりもY社の方が高い。

2 誤り。

株価収益率(倍)(PER)とは
株価が1株あたり利益の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。

株価収益率(倍)(PER) =$\frac{株価}{1株あたり当期純利益(EPS)}$
1株あたり当期純利益(EPS)  =$\frac{当期純利益}{発行済株式数}$

問題に当てはめて計算すると、
X社の1株あたり当期純利益(BPS)=$\frac{210億円}{4億株}$=52.5円
X社の株価純資産倍率(倍)(PBR) =$\frac{2,500円}{52.5円}$=47.61倍

Y社の1株あたり当期純利益(BPS)=$\frac{190億円}{3億株}$=63.3円
Y社の株価純資産倍率(倍)(PBR) =$\frac{1,300円}{63.3円}$=20.53倍

PERは、Y社よりもX社の方が高い。

3 正しい。

株価純資産倍率(PBR)とは
株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかを見る指標。株価の割安・割高の一般的な判断基準となる。

株価純資産倍率(倍)(PBR) =$\frac{株価}{1株あたり純資産(BPS)}$
1株あたり純資産(BPS)=$\frac{純資産}{発行済株式数}$

問題に当てはめて計算すると、
X社の1株あたり純資産(BPS) =$\frac{6,000億円}{4億株}$=1,500円
X社の株価純資産倍率(倍)(PBR) =$\frac{2,500円}{1,500円}$=1.66倍

Y社の1株あたり純資産(BPS) =$\frac{2,800億円}{3億株}$=933.33円
Y社の株価純資産倍率(倍)(PBR) =$\frac{1,300円}{933.33円}$=1.39倍

PBRは、Y社よりもX社の方が高い。

4 誤り。

配当性向とは
配当金を当期純利益で割ることで求められる指標で、利益のうち、株主に還元した割合がわかる。

配当利回り(%) =$= \frac{配当金}{当期純利益}×100$

問題に当てはめて計算すると、
X社の配当性向 =$\frac{120億円}{210億株}×100$=57.14%
X社の配当性向=$\frac{70億円}{190億円}×100$=36.84%

配当性向は、Y社よりもX社の方が高い。

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