今回のテーマは、「投資信託の費用」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)問題 22
問題 22
公募株式投資信託の費用に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.購入時手数料がかからない投資信託は、一般に、ノーロード型(ノーロードファンド)と呼ばれる。
2.運用管理費用(信託報酬)は投資信託の銘柄ごとに定められており、一般に、インデックス型投資信託よりもアクティブ型投資信託の方が高い傾向がある。
3.会計監査に必要な費用(監査報酬)や組入有価証券に係る売買委託手数料は、信託財産から支出されるため、受益者(投資家)の負担となる。
4.信託財産留保額は、長期に投資信託を保有する投資家との公平性を確保するための費用であり、すべての投資信託に設定されている。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)
正解:4
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。
投資信託
投資対象による分類
公社債投資信託 公社債を中心に運用。株式の組み入れはできない。
株式投資信託 株式の組み入れが可能。株式が入っていないものもある。
1 正しい。
購入時手数料がかからない投資信託は、一般に、ノーロード型(ノーロードファンド)と呼ばれる。
2 正しい。
運用管理費用(信託報酬)は投資信託の銘柄ごとに定められており、一般に、インデックス型投資信託よりもアクティブ型投資信託の方が高い傾向がある。
運用手法による分類
バッシブ運用(インデックス運用) 「ベンチマーク」に連動した運用を目標とする。
アクティブ運用 「ベンチマーク」を上回る運用を目標とする。
3 正しい。
会計監査に必要な費用(監査報酬)や組入有価証券に係る売買委託手数料は、信託財産から支出されるため、受益者(投資家)の負担となる。
4 誤り。
信託財産留保額は、解約時にかかる諸費用の一部を解約する投資家から徴収するもので、解約しないで保有している者との間との費用の公平性を図るのが目的であるが、商品によっては、信託財産留保額がかからないものがある。
(解法のポイント)肢3は細かな事柄が問われているがその他は基本事項である。特に肢2は頻出である。さらに、関連してバッシブ運用(インデックス運用)とアクティブ運用の違いも復習しておこう。
なお、アクティブ運用の手法として、トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチ、グロース投資とバリュー投資も頻出論点である。
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