今回のテーマは、「住宅借入金等特別控除」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)《問29》
《問29》 住宅借入金等特別控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1) 住宅(床面積100㎡)を取得した場合において、控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下でなければ、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができない。
2) 店舗併用住宅を取得した場合において、その床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されなければ、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができない。
3) 住宅を取得して居住を開始した年に勤務先からの転任命令により転居し、その年の12月31日において当該住宅に居住していなかった場合、当該住宅に再び居住した日の属する年以後、残存控除期間について、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。
4) 認定住宅等以外の一般の新築住宅に係る住宅借入金等特別控除について、2023年中に居住を開始した場合、控除額は住宅ローンの年末残高3,000万円までにつき控除率0.7%で計算され、控除期間は最長で10年となる。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)
正解:4
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものする。
1 正しい。
適用要件(抜粋)
居住要件
・住宅の新築等の日から6か月以内に居住の用に供していること。
・この特別控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住の用に供していること
床面積要件・所得要件
(原則)
・住宅の床面積が50㎡以上であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること。
・この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、2,000万円以下であること。
(特例)
・住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満であり、かつ、床面積の2分の1以上を専ら自己の居住の用に供していること
・この特別控除を受ける年分の合計所得金額は、1,000万円以下であること
2 正しい。
店舗併用住宅を取得した場合において、その床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されなければ、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができない。
3 正しい。
住宅を取得して居住を開始した年に勤務先からの転任命令により転居し、その年の12月31日において当該住宅に居住していなかった場合、当該住宅に再び居住した日の属する年以後、残存控除期間について、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができる。
4 誤り。
2023年(令和5年)中に一般の新築住宅で居住を開始した場合、控除期間は最長で13年となる。
住宅の区分 | 居住の用に供した年 | 控除期間 | 各年の控除額の計算(控除限度額) |
---|---|---|---|
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 | 令和4年・令和5年 | 13年 | 年末残高等×0.7%(35万円) |
令和6年・令和7年 | 13年 | 年末残高等×0.7%(31.5万円) | |
特定エネルギー 消費性能向上住宅 | 令和4年・令和5年 | 13年 | 年末残高等×0.7%(31.5万円) |
令和6年・令和7年 | 13年 | 年末残高等×0.7%(24.5万円) | |
エネルギー 消費性能向上住宅 | 令和4年・令和5年 | 13年 | 年末残高等×0.7%(28万円) |
令和6年・令和7年 | 13年 | 年末残高等×0.7%(21万円) | |
一般の新築住宅 | 令和4年・令和5年 | 13年 | 年末残高等×0.7%(21万円) |
令和6年・令和7年 | 10年 | 年末残高等×0.7%(14万円) |
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