今回のテーマは、「在職老齢年金」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)《問5》
《問5》 在職老齢年金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 厚生年金保険の適用事業所に常時使用される70歳以上の者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金による支給調整は行われない。
2) 在職老齢年金により年金額の一部が支給調整されている老齢厚生年金の受給権者について、定時決定により標準報酬月額の等級が上がった場合、9月分の老齢厚生年金から支給調整される額が変更となる。
3) 第1号厚生年金被保険者期間と第3号厚生年金被保険者期間を有する老齢厚生年金の受給権者が第1号厚生年金被保険者である場合、在職老齢年金による支給調整の対象となるのは、第1号厚生年金被保険者期間に対応する老齢厚生年金のみである。
4) 繰下げ支給の申出により増額された老齢厚生年金について、在職老齢年金により支給調整が行われる場合、報酬比例部分および繰下げ加算額が支給調整の対象となる。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)
正解:2
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものする。
1 誤り。
厚生年金保険の適用事業所に常時使用される70歳以上の者に支給される老齢厚生年金は、在職老齢年金による支給調整は行われる。(厚生年金保険法46条1項)
2 正しい。
在職老齢年金により年金額の一部が支給調整されている老齢厚生年金の受給権者について、定時決定により標準報酬月額の等級が上がった場合、9月分の老齢厚生年金から支給調整される額が変更となる。
3 誤り。
厚生年金では、二つ以上の被保険者別の被保険者期間がある場合、加入していたすべての被保険者別の年金額が在職老齢年金による支給調整が行われる。(厚生年金保険法78条の29)
4 誤り。
繰下げ支給の申出により増額された老齢厚生年金について、在職老齢年金により支給調整が行われる場合、報酬比例部分は支給調整の対象となるが、繰下げ加算額は支給調整の対象外である。(厚生年金保険法46条1項)
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