FP1級の過去問を解こう(2024年5月)「ポートフォリオ運用におけるパフォーマンス評価」

ポートフォリオ FP

今回のテーマは、「ポートフォリオ運用におけるパフォーマンス評価」である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)《問23》

《問23》 ポートフォリオ運用におけるパフォーマンス評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1) シャープ・レシオ(シャープの測度)は、「ポートフォリオの収益率-安全資産利子率」を、ポートフォリオの収益率の標準偏差で除して、標準偏差によるリスク1単位当たりの超過収益率を測定するものである。
2) トレイナー・レシオ(トレイナーの測度)は、「資本資産評価モデル(CAPM)による期待収益率-ベンチマークの収益率」をポートフォリオのβ(ベータ)で除して、βによるリスク1単位当たりの超過収益率を測定するものである。
3) ジェンセンのアルファ(ジェンセンの測度)は、「ポートフォリオの収益率-資本資産評価モデル(CAPM)による期待収益率」により算出され、資本資産評価モデル(CAPM)により算出される期待収益率に対するポートフォリオの超過収益率を測定するものである。
4) インフォメーション・レシオ(情報比)は、「ポートフォリオの収益率-ベンチマークの収益率」をトラッキングエラー(超過収益率の標準偏差)で除して算出される。

一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)

正解:2

それでは、問題を検討していこう。

1 正しい。

シャープレシオとは
リスクをとったことにより、どれだけ効率よく収益を上げられたかをみる指標である。数値が大きいほど効率よく収益を上げられたと評価できる。

シャープレシオ $=\frac{ポートフォリオの収益率-安全資産利子率}{ポートフォリオの標準偏差(リスク)}$

「安全資産利子率」とは価格変動リスクのない預金の利率などのことである。

2 誤り。

トレイナー・レシオ(トレイナーの測度)とは
安全資産利子率に対するポートフォリオの超過収益率をポートフォリオのβ(ベータ)で除して求める。
数値が大きいほど効率よく適用されていたと評価される。

トレイナー・レシオ$=\frac{ポートフォリオの収益率-安全資産利子率}{ポートフォリオのβ(ベータ)}$

3 正しい。

ジェンセンのアルファ(ジェンセンの測度)とは
「ポートフォリオの収益率-資本資産評価モデル(CAPM)による期待収益率」により算出され、資本資産評価モデル(CAPM)により算出される期待収益率に対するポートフォリオの超過収益率を測定するものである。

ジェンセンのアルファ=ポートフォリオの収益率-資本資産評価モデル(CAPM)による期待収益率

4 正しい。

インフォメーション・レシオ(情報比)は
「ポートフォリオの収益率-ベンチマークの収益率」をトラッキングエラー(超過収益率の標準偏差)で除して算出される。

インフォメーション・レシオ$=\frac{ポートフォリオの収益率-ベンチマークの収益率}{トラッキングエラー(超過収益率の標準偏差)}$

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