FP1級の過去問を解こう(2024年5月)「契約不適合責任」

不動産 FP

今回のテーマは、「契約不適合責任」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)《問35》

《問35》 不動産の取引における民法上の契約不適合責任に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1) 売買により取得した土地の実際の面積が契約書に記載された面積よりも小さかった場合、売主が土地の引渡し時にその不適合を知り、または重大な過失によって知らなかった場合を除き、買主はその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、その不適合を理由として代金の減額の請求をすることができない。
2) 売買により取得した家屋に水漏れがあった場合、売主が家屋の引渡し時にその不適合を知り、または重大な過失によって知らなかった場合を除き、買主はその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。
3) 家屋の売買契約の締結後、売主が買主に家屋を引き渡すまでの間に、その家屋が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失した場合、買主は、その滅失を理由として代金の支払を拒むことができる。
4) 家屋の売買契約を締結し、売主が買主に家屋を引き渡した後、その家屋が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失した場合、買主は、その滅失を理由として契約の解除をすることはできない。

一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)

正解:1

それでは、問題を検討していこう。

なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものする。

1 誤り。

(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第566条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。
(民法・e-Gov法令検索)

民法566条は、「種類」又は「品質」に関する契約不適合のみに適用され、「数量」に関する契約不適合には適用されない。

なお、不動産売買において契約表示面積と実測面積のあいだに過不足があったときには、契約において実測面積を基礎に代金額を定めるとの合意がある場合に契約不適合となる。

2 正しい。

民法566条参照。

3 正しい。

(債務者の危険負担等)
第536条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
(略)
(民法・e-Gov法令検索)

4 正しい。

(目的物の滅失等についての危険の移転)
第567条 売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る。)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない。
(略)
(民法・e-Gov法令検索)

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