今回のテーマは、「東京証券取引所の市場区分等」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)問題 24
問題 24
東京証券取引所の市場区分等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.プライム市場の上場維持基準では、新規上場から一定期間経過後の株主数および流通株式数について、新規上場基準よりも高い数値基準が設定されている。
2.プライム市場の新規上場基準では、上場申請会社の直近事業年度におけるROEの数値基準について、8%以上と定められている。
3.スタンダード市場の上場会社がプライム市場へ市場区分の変更を申請することはできるが、プライム市場の上場会社がスタンダード市場へ市場区分の変更を申請することはできない。
4.JPX日経インデックス400は、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場を主市場とする普通株式の中から、ROEや営業利益等の指標等により選定された400銘柄を対象として算出される。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)
正解:4
それでは、各肢を検討していこう。
2024年1月実施の問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は、本稿執筆現在施行されている法令等に基づくものとする。
1 誤り。
各市場の上場維持基準は、以下の通りで、プライム、スタンダード、グロース市場のいずれも、株主数、流通株式数、流通株式時価総額については、新規上場基準と同じである。
プライム市場 | スタンダード市場 | グロース市場 | |
株主数 | 800人以上 | 400人以上 | 150人以上 |
流通株式数 | 20,000単位以上 | 2,000単位以上 | 1,000単位以上 |
流通株式時価総額 | 100億円以上 | 10億円以上 | 5億円以上 |
売買高 | 平均売買代金 0.2億円以上 | 月平均10単位以上 | 月平均10単位以上 |
(類題)プライム市場における上場維持基準は、株主数や流通株式数等において、スタンダード市場およびグロース市場よりも高い数値が設定されている。〇
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題 24ー3
2 誤り。
プライム市場の新規上場基準では、上場時見込みで、時価総額、純資産の額、利益の額又は売上高などがあるが、ROEは基準となっていない。
3 誤り。
各市場区分はそれぞれ独立しており、上場会社が他の市場区分へ変更する場合には、変更先の市場区分の新規上場基準と同等の基準に基づく審査を改めて受け、その基準に適合することが必要となる。
(類題)グロース市場に上場している銘柄であっても、プライム市場における新規上場基準等の要件を満たせば、所定の手続きにより、プライム市場に市場区分の変更をすることができる。〇
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題 24ー4
4 正しい。
JPX日経インデックス400とは
東証のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場を主市場とする普通株式を対象として、ROEや営業利益等の指標等により選定された400銘柄で構成される。
(参考)日本取引所グループのWebサイト・JPX日経400の紹介ページ
(類題)JPX日経インデックス400は、東京証券取引所のプライム市場に上場する内国普通株式銘柄のうち、時価総額、売買代金、ROE等を基に選定された400銘柄を対象とし、基準値を10,000とした時価総額加重型の株価指数である。✖
1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問19ー3
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