今回のテーマは、「株式の投資指標」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)問題26
問題 26
下記<X社のデータ>に基づき算出される投資指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.1株当たり当期純利益は、500円である。
2.株式益利回りは、0.6%である。
3.PBRは、5.0倍である。
4.配当性向は、30.0%である。
一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)
正解:4
それでは、問題を検討していこう。
1 誤り。
1株あたり当期純利益(EPS) $ = \frac{当期純利益}{発行済株式数}$ である。
ただし、本問では当期純利益が与えられていない。
そこで、株価収益率(倍)(PER)$ =\frac{株価}{1株あたり当期純利益(EPS)}$
を使う。
20.0倍 = $ =\frac{9000}{1株あたり当期純利益(EPS)}$
1株あたり当期純利益(EPS) = 450円
2 誤り。
株式益利回りとは
1株あたり税引利益(1株あたり純利益)を株価で割ったもので、株価の割安性を表す指標である。これは株価収益率(PER)の逆数(1/PER)となり、通常、PERが低いほど株価が割安とされるのに対し、株式益利回りは高いほど株価が割安と判断される。
したがって、株式益利回り $ =\frac{1}{20.0}×100$ = 5%
3 誤り。
株価純資産倍率(倍)(PBR) $= \frac{株価}{1株あたり純資産(BPS)}$
1株あたり純資産(BPS) $=\frac{純資産}{発行済株式数}$ なので、
1株あたり純資産(BPS) $=\frac{37500億円}{25億株}$ = 1,500円
株価純資産倍率(倍)(PBR) $= \frac{9000}{1500}$ = 6倍
4 正しい。
配当性向とは
配当金を当期純利益で割ることで求められる指標で、利益のうち、株主に還元した割合がわかる。
配当性向(%) $= \frac{配当金}{当期純利益}×100$
なお、当期純利益 = 1株あたり当期純利益(EPS) × 発行済株式数
450円 × 25億株 = 11,250億円
$\frac{3375億円}{11250億円}×100 =$ 30.0%
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