【FP2級】CBT試験問題・2025年5月公表分・学科「不動産の売買契約に係る民法の規定」

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FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定2級試験は、CBT方式に移行している。

今回のテーマは、「不動産の売買契約に係る民法の規定」である。

CBT試験問題・2級 学科試験(2025 年5月公表分) 問 42

問42
不動産の売買契約に係る民法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
1) 売主から代理権を付与された第三者が売主の所有不動産を売却する場合、その第三者が売買契約の締結時に売主の代理人である旨を買主に告げていなければ、買主がその旨を知ることができたとしても、当該契約は無効となる。
2) 共有されている不動産の共有者の1人が、自己が有している持分を第三者に譲渡する場合、他の共有者全員の同意を得なければならない。
3) 売買の目的物である建物が、その売買契約の締結から当該建物の引渡しまでの間に、地震によって全壊した場合、買主は売主に対して建物代金の支払を拒むことができる。
4) 買主が売主に解約手付を交付した場合、相手方が売買契約の履行に着手した後であっても、買主はその解約手付を放棄し、売主はその解約手付の倍額を現実に提供して、当該契約の解除をすることができる。

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正解は 3 です。

【前提知識】

民法

  • 代理行為の有効性(民法99条・100条)
  • 持分処分の自由(民法206条・249条)
  • 危険負担(民法536条)
  • 手付解除の可否(民法557条)

それでは、各肢を検討していこう。

1 誤り。

本肢では「買主がその旨を知ることができた(=善意有過失)」とされている。 この場合、民法100条ただし書の規定により、顕名がなくても有効な代理行為として成立する。したがって、「契約は無効となる」という部分は誤りとなる。

(代理行為の要件及び効果)
第99条 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。

(本人のためにすることを示さない意思表示)
第100条 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。

2 誤り。

各共有者は、自分が持っている「持分」については、他の共有者の同意を得ることなく、自由に売却、譲渡、または抵当権の設定などをすることができる。

持分権は所有権の一部として独立した権利であるため、他人の干渉を受けずに処分できるのが原則である。

区分内容必要な同意
持分の処分自分の持ち分だけを売る不要(単独で可能)
共有物の変更(処分)不動産全体を売却・解体する、地目を変更する共有者全員の同意
共有物の管理リフォーム(改良)、賃貸借契約の解除など持分の過半数の同意
共有物の保存屋根の修理、不法占拠者への明け渡し請求各共有者が単独で可能
(所有権の内容)
第206条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

(共有物の使用)
第249条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
3 共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。

3 正しい。

契約の締結後、引渡しまでの間に「売主と買主のどちらの責任でもない理由(地震や台風などの不可抗力)」で建物が滅失した場合、以下のようになる。

  1. 債務の消滅: 建物を引き渡す義務(売主の債務)は、不能により消滅する。
  2. 代金支払の拒絶: 買主は、売主からの代金請求に対して支払を拒むことができます。
(債務者の危険負担等)
第536条 当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

4 誤り。

手付解除ができるのは、「相手方が履行に着手するまで」の間だけである。

  • 自分が着手していても、相手がまだ着手していなければ解除可能である。
  • 逆に、相手がすでに着手してしまった後は、いくら手付金を放棄・倍返ししたとしても、一方的に契約を解除することはできない。
(手付)
第557条 買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。

(解法のポイント)
民法の頻出論点である。この機会に知識の整理をしておこう。

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