FP3級の過去問を解こう(2024年1月)「タックスプランニング」

TAX FP

今回のテーマは、「タックスプランニング」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

【第1問】 次の各文章(16)~(20)を読んで、正しいものまたは適切なものには〇で、誤っているものまたは不適切なものには✖で答えなさい。

(16) 所得税における一時所得に係る総収入金額が400万円で、その収入を得るために支出した金額が200万円である場合、一時所得の金額のうち総所得金額に算入される金額は、75万円である。
(17) 個人が賃貸アパートの敷地および建物を売却したことにより生じた所得は、不動産所得となる。
(18) 所得税において、納税者の合計所得金額が1,000万円を超えている場合、医療費控除の適用を受けることができない。
(19) 所得税において、その年の12月31日時点の年齢が16歳未満である扶養親族は、扶養控除の対象となる控除対象扶養親族に該当しない。
(20) 所得税において、上場株式の配当に係る配当所得について申告分離課税を選択した場合、配当控除の適用を受けることができない。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)問題指示文一部改変

正解(16) 〇(17) ✖ (18) ✖(19) 〇(20) 〇

それでは、各問を検討していこう。
問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿では正解及び解説は執筆時点で施行されている法令等に基づいて執筆する。

(16) 〇

一時所得=総収入金額ー収入を得るために支出した金額ー特別控除額(50万円)

なお、一時所得が黒字の場合は、総所得金額を算出する際に、一時所得の2分の1が他の所得と合算される。なお、一時所得が赤字の場合は、一時所得はなかったものとされる。

400万円ー200万円ー50万円=150万円
150万円$×\frac{1}{2}=75$万円

類題)確定拠出年金の個人型年金の老齢給付金を全額一時金で受け取った場合、当該老齢給付金は、一時所得として所得税の課税対象となる。✖
3級 学科試験(2023年9月10日実施)【第1問】 (17)

(17) ✖

土地や建物、不動産上の権利などの貸付による所得を不動産所得という。
本肢では不動産を売却したことにより生じた所得であるので、譲渡所得である。

(18) ✖

医療費控除とは、納税者本人や納税者本人と生計を一にする配偶者・親族のために払った医療費の一定額が納税者本人の所得金額から控除される。上限は200万円である。
納税者本人にも納税者本人と生計を一にする配偶者・親族にも所得金額の制限はない

類題)セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)の対象となるスイッチOTC医薬品等の購入費を支払った場合、その購入費用の全額を所得税の医療費控除として総所得金額等から控除することができる。✖
3級 学科試験(2023年9月10日実施)【第1問】 (18) 

(19) 〇

扶養控除とは

納税者本人に生計を一にする扶養親族(合計所得金額48万円以下)がいる場合に納税者の所得から一定額が控除される。なお、控除対象扶養親族は、扶養親族のうち16歳以上の者をいう。

対象になる扶養親族控除額
16歳未満なし
16歳以上19歳未満38万円
19歳以上23歳未満特定扶養親族63万円
23歳以上70歳未満38万円
70歳以上(老人扶養親族)同居でない場合 48万円
同居の場合   58万円
扶養控除の額(所得税)

※扶養控除の対象者は、生計を一にしている6親等以内の血族、3親等以内の姻族

(参考)No.1180 扶養控除(国税庁Webサイト)

類題)3)控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の者は、特定扶養親族に該当する。〇
4)控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が65歳以上の者は、老人扶養親族に該当する。✖
2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題 34

(20) 〇

配当控除の適用外

  • 外国法人(外国株式)からの配当金
  • 申告不要制度や申告分離課税を選択した配当金
  • 上場不動産投資信託( J-REIT)の分配金

類題)上場不動産投資信託( J-REIT)の分配金は、確定申告をすることにより所得税の配当控除の適用を受けることができる。✖
3級 学科試験(2023年9月10日実施)【第1問】(19)

(解法のポイント)どれもこれまでに繰り返し出題されています。今後も出題される可能性があるので、しっかりと復習しておこう。なお、控除対象扶養親族は、扶養親族のうち16歳以上の者をいう。注意しよう。

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