FP1級の過去問を解こう(2024年5月)「任意加入の自動車保険」

FP

今回のテーマは、「任意加入の自動車保険」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)《問13》

《問13》 任意加入の自動車保険(保険期間1年)のノンフリート等級別料率制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

1) 18等級の記名被保険者が被保険自動車を運転中に他の自動車と接触し、対人・対物賠償保険、人身傷害(補償)保険、車両保険の保険金がそれぞれ支払われた場合、当該事故は「3等級ダウン事故」であり、更新後の等級は15等級となる。
2) 16等級の記名被保険者が被保険自動車を運転中に電柱に衝突する事故を起こした後、当該車両が台風により被害に遭い、同一保険期間中に2回、車両保険の保険金が支払われた場合、当該事故は「3等級ダウン事故」と「ノーカウント事故」となり、更新後の等級は13等級となる。
3) 事故有係数適用期間とは、「3等級ダウン事故」の場合は3年間、「1等級ダウン事故」の場合は1年間、「事故有」の割増引率が適用される期間で、適用期間中に事故がなければ「無事故」の割増引率に戻るが、適用期間中に再び事故を起こすと、8年を限度に適用期間が延長される。
4) 前年に初めて自動車保険を契約して更新後の等級が7等級になった契約者と、前年に「1等級ダウン事故」を起こして更新後の等級が7等級になった契約者は、それぞれの保険料に適用される割引率は同じである。

一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。

なお、問題は、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は執筆時点で現在施行されている法令等に基づいて執筆する。

ノンフリート等級とは、契約者が所有・使用する車の契約台数が他社を含め9台以下の場合の契約に対して適用される割増・割引率の等級区分のことをいう。
ノンフリート等級は1等級から20等級まで分かれており、初めての契約の場合は、6等級または7等級(複数所有新規の場合)からスタートする。

1 正しい

1年間の保険期間を通じて無事故の場合は、次の契約は1等級上の等級が適用され、反対に事故を起こした場合は、1回の事故につき3等級下の等級が適用される

3等級ダウン事故とは、自動車事故を起こして保険を使った場合に、事故1件につき翌年度の等級が3等級下がる事故のことをいう。 3等級ダウン事故は主に対人賠償保険対物賠償保険車両保険のいずれかを使用する事故のことをいう。

2 誤り

3等級ダウン事故とは、自動車事故を起こして保険を使った場合に、事故1件につき翌年度の等級が3等級下がる事故のことをいう。 3等級ダウン事故は主に対人賠償保険対物賠償保険車両保険のいずれかを使用する事故のことをいう。

1等級ダウン事故とは、自動車事故を起こして保険を使った場合に、事故1件につき翌年度の等級が1等級下がる事故のことをいう。
一般的に盗難やいたずら、台風など、偶発的な原因によって自動車に損害が発生し、車両保険金のみが支払われた場合が該当する。

したがって、本肢の場合、当該事故は「3等級ダウン事故」と「1等級ダウン事故」となり、更新後の等級は12等級となる。(複数の等級ダウン事故を起こした場合、合計して適用される。)

3 誤り

事故有係数適用期間とは、「事故有」の割増引率を適用する期間のことである。

事故には、1等級ダウンし、事故有係数適用期間が1年間加算される「1等級ダウン事故」と、3等級ダウンし、事故有係数適用期間が3年間加算される「3等級ダウン事故」がある。

事故有係数適用期間は0~6年で、自動車保険証券で確認が可能である。

4 誤り

事故にあって自動車保険を使った場合、翌年の等級が下がる。また、同じ等級でも「事故有」の人と「無事故」の人では保険料の割増引率が異なる。事故有の方のほうが割引率は小さくなり、保険料が高くなる。

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