今回のテーマは、「損害保険を利用した事業活動のリスク管理」である。
問題 20
損害保険を利用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。
1.製造業を営む事業者が、業務中の事故で従業員が負傷するリスクに備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。
2.貸しビル業を営む事業者が、ビル内に設置した機械が火災により損害を被るリスクに備えて、機械保険を契約した。
3.ボウリング場を運営する事業者が、施設の管理不備により来場者がケガをして法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えて、施設所有(管理)者賠償責任保険を契約した。
4.食品製造業を営む事業者が、製造した食品が原因で食中毒を発生させ、法律上の損害賠償責任を負うリスクに備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年5月25日実施)
正解:2
1 正しい。
政府労災保険では補償が不十分な場合があるため、企業が追加で補償する「法定外補償保険」や「使用者賠償責任保険」を契約するのは一般的。これは適切なリスク管理である。
2 誤り。
機械保険は火災による損害を補償しない。この保険は、破損・爆発・落雷などの偶然の事故による損害に対応する。火災による損害は「火災保険」で備えるべきである。
3 正しい。
施設の管理不備による事故に対して、施設所有者が法的責任を負う可能性があるため、この保険は適切ある。
4正しい。
PL保険は、製品の欠陥によって第三者に損害を与えた場合の賠償責任を補償する保険で、食品による食中毒も対象になる。
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