今回は、「贈与税の申告および納付」である。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年1月25日実施)《問43》
《問43》 贈与税の申告および納付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
1) 2024年中に父から2,500万円の現金の贈与を受けて相続時精算課税を選択した子が、2025年中に父から100万円の現金の贈与を受けた場合に、父以外の者からの贈与がない
ときは、2025年分の贈与税の申告書の提出は不要である。
2) 贈与税の申告書を提出すべき者が、提出期限前に申告書を提出しないで死亡した場合、その者の相続人は、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10カ月以内に、当該申告書を死亡した者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
3) 贈与税の延納について、贈与財産のうち不動産の価額が占める割合が75%以上で、かつ、延納税額が200万円以上である場合、延納期間は最長で20年となる。
4) 贈与税の申告書の提出後、課税価格や税額の計算に誤りがあり、申告した税額が過大であることが判明した場合、原則として、法定申告期限から6年以内に限り、更正の請求をすることができる。
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正解は 3 です。
【前提知識】
贈与税の申告および納付
それでは、各肢を検討していこう。
1 正しい。
2024年(令和6年)1月1日以降、相続時精算課税制度を選択している受贈者(子)には、特定贈与者(父)からの贈与について、特別控除(2,500万円)とは別に、年110万円の基礎控除が認められる。
父からの贈与額:100万円
基礎控除額:110万円
相続時精算課税の適用を受けていても、その年分の特定贈与者からの贈与額が基礎控除額(110万円)以下であれば、原則として贈与税の申告書を提出する必要はない。
なお、父以外の「一般の贈与(暦年課税)」による贈与を受けた場合は、そちらは別途110万円の枠計算が必要になるが、本肢では「父以外の者からの贈与がない」とされているため、考慮不要である。
2 正しい。
- 提出義務の承継
贈与税の納付義務がある人が申告期限(原則3月15日)前に死亡した場合、その相続人が代わりに申告・納付を行う必要がある。 - 提出期限
相続人は、「自己のために相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人の死亡日)」の翌日から10カ月以内に提出しなければならない。 - 提出先
亡くなった方(贈与を受けた本人)の住所地を管轄する税務署長に提出する。
3 誤り。
贈与税の延納期間は、不動産等の割合に関わらず一律で最長5年と定められている。
一方、相続税の場合: 不動産等の占める割合が一定以上(50%以上や75%以上)の場合、その割合に応じて延納期間が10年、15年、最長20年まで延長される特例がある。
4 正しい。
「贈与税の更正の請求」については、原則として、法定申告期限から「6年」以内に限りできる。
相続税法(e-Gov法令検索)
(更正の請求の特則)
第32条
(略)
2 贈与税について申告書を提出した者に対する国税通則法第23条の規定の適用については、同条第一項中「五年」とあるのは、「六年」とする。
(略)
国税通則法(e-Gov法令検索)
(更正の請求)
第23条 納税申告書を提出した者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該申告書に係る国税の法定申告期限から五年(第二号に掲げる場合のうち法人税に係る場合については、十年)以内に限り、税務署長に対し、その申告に係る課税標準等又は税額等(当該課税標準等又は税額等に関し次条又は第二十六条(再更正)の規定による更正(以下この条において「更正」という。)があつた場合には、当該更正後の課税標準等又は税額等)につき更正をすべき旨の請求をすることができる。
(略)
(解法のポイント)
「贈与税の延納は一律5年以内」、「相続税は財産の中身(不動産割合)によって期間が伸びる」と覚えておこう。



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