【FP2級】CBT試験問題・2026年5月公表分・学科「損益通算と総所得金額の計算」

FP

今回は、試験で頻出の「損益通算」と「総所得金額の計算」に関する問題を取り上げよう。
損失が発生した場合に他の所得と相殺できる「損益通算」のルールと、「一時所得の1/2課税」の正しい順序を確認しよう。

CBT試験問題・2級 学科試験(2026年5月公表分)

問33
Aさんの各種所得の金額が下記のとおりであった場合の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
〈Aさんの各種所得の金額〉
・不動産所得の金額:60万円
・事業所得の金額 :▲100万円(飲食店の経営により生じた損失の金額)
・一時所得の金額 :100万円(養老保険の満期保険金を受け取ったことによる所
得の金額)

  1. 10万円
  2. 30万円
  3. 60万円
  4. 85万円

出典:「ファイナンシャル・プランニング技能検定2級 学科試験(2026 年5月公表分)」 金融財政事情研究会

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正解は 2 です。

手順をステップごとに確認しよう

ステップ1:損益通算ができる所得かチェック

所得税法において、損失が出たときに他の所得から損益通算できる所得は4つに限られている。
(所得税法69条1項)

(損益通算)
第六十九条 総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額を計算する場合において、不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。
(所得税法・e-GOV法令検索)

覚え方は「富士山上(不・事・山・譲)」である!

  • 不:不動産所得
  • 事:事業所得
  • 山:山林所得
  • 譲:譲渡所得

今回の事業所得の赤字(▲100万円)は損益通算の対象となる。
まず、不動産所得と相殺しよう。

$\text{不動産所得 } 60万円 + \text{事業所得 } (▲100万円) = ▲40万円$

しかし、まだ引くことができていない事業所得の損失が ▲40万円 残る。

ステップ2:一時所得の金額から残りの赤字を差し引く

次に、残った損失(▲40万円)を一時所得の金額(100万円)から差し引く。

★重要ポイント!
一時所得を「1/2にする前」の金額(100万円)から事業所得の残った損失を差し引く。

$\text{一時所得 } 100万円 ー \text{事業所得の残った損失 } 40万円 = 60万円$

損益通算を行った後の「一時所得の金額」は 60万円 となる。

ステップ3:一時所得を1/2にして総所得金額を算出する

一時所得は、総所得金額に算入する際に 1/2 にするルールがある。
なお、一時所得は「収入-必要経費-特別控除50万円」という計算過程があるが、問題文で「一時所得の金額が100万円」と既に与えられているため、その金額を使って計算している。

ステップ2で求めた通算後の金額(60万円)に対して $\frac{1}{2}$ を掛ける。

$60万円 \times \frac{1}{2} = 30万円$

したがって、Aさんの総所得金額は 30万円 となる。


(解法のポイント)
一時所得は、他の所得との損益通算後に1/2して総所得金額に算入するのが鉄則である。


(参考)
・No.2250 損益通算(国税庁Webサイト)

No.2250 損益通算|国税庁

・No.1490 一時所得(国税庁Webサイト)

No.1490 一時所得|国税庁

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