【FP2級】CBT試験問題・2026年5月公表分・学科「借地借家法(2)」

FP

今回は、「借地借家法」、中でも「定期借家契約(定期建物賃貸借契約)」に関する問題を取り上げよう。

CBT試験問題・2級 学科試験(2026年5月公表分)

問44
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、定期建物賃貸借契約を定期借家契約という。

  1. 定期借家契約は、賃貸借期間を6カ月未満とすることができる。
  2. 定期借家契約を締結する場合、賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対し、契約の更新がなく、期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した公正証書を交付して説明しなければならない。
  3. 建物の賃借人は、建物の賃借権の登記がなくても、建物の引渡しを受けていれば、その後その建物の物権を取得した者に対して賃借権を対抗することができる。
  4. 定期借家契約において期間が1年以上である場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6カ月前までの間に賃借人に対して期間満了により契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。

出典:ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2026 年5月公表分)CBT試験問題・一般社団法人 金融財政事情研究会

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正解は 2 です。

【前提知識】
借地借家法(令和8年5月21日 施行)

※本記事では、2級 学科試験(2026 年5月公表分)CBT試験問題を、現在施行されている法令に基づいて解説しています。


以降の記事では、「借地借家法」を「法」と呼称する。

1 正しい。

普通借家契約(一般の賃貸借契約)の場合、契約期間を「1年未満」と設定すると、期間の定めのない契約とみなされる(法29条)。
しかし、定期借家契約(定期建物賃貸借契約)においては、1年未満(例えば6カ月未満など)の期間設定も有効である。(法38条)
したがって、定期借家契約は、賃貸借期間を6カ月未満とすることができる。

(建物賃貸借の期間)
第二十九条 期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。

(定期建物賃貸借)
第三十八条 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
2 前項の規定による建物の賃貸借の契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、その契約は、書面によってされたものとみなして、同項の規定を適用する。
3 第一項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
4 建物の賃貸人は、前項の規定による書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、建物の賃借人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。)により提供することができる。この場合において、当該建物の賃貸人は、当該書面を交付したものとみなす。
5 建物の賃貸人が第三項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
6 第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
(略)
(法・e-GOV法令検索)

2 誤り。

定期借家契約を結ぶ際は、公正証書による等書面によって契約しなければならない。
(法第38条1項)※電磁的方法によることも可(同条2項)
ただし、その契約に先立って「更新がなく期間満了で終了する」旨を説明する書面は必ずしも「公正証書による等」である必要はない。単なる「書面」でよい。(同条3項)
なお、電磁的方法によることも可(同条4項)

したがって、「説明のための記載書面まで公正証書による等書面でなければならない」わけではない。

3 正しい。

原則として、建物の賃貸借において、賃借人が第三者に自分の賃借権を対抗するためには、登記が必要となる。(民法605条)
しかし、借地借家法31条により、「建物の引渡し」を受けていれば、登記がなくても第三者に対抗できる。

(不動産賃貸借の対抗力)
第六百五条 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
(民法・e-GOV法令検索)
(建物賃貸借の対抗力)
第三十一条 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
(法・e-GOV法令検索)

4 正しい。

定期借家契約において期間が1年以上である場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6カ月前までの間に賃借人に対して期間満了により契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。(法第38条6項)

(解法のポイント)
定期借家契約における「契約自体の書面要件」と「事前説明の書面要件」の区別は、試験でも狙われるポイントである。しっかり整理しておこう。

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