今回のテーマは、「生命保険」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)【第2問】(36)~(37)
第2問】 次の各文章((36)~(37))の( )内にあてはまる最も適切な文章、語句、数字またはそれらの組合せを1)~3)のなかから選びなさい。
(36) 生命保険の保険料は、純保険料および付加保険料で構成されており、このうち付加保険料は、( )に基づいて計算される。
1) 予定利率
2) 予定死亡率
3) 予定事業費率
(37) 国内で事業を行う生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構による補
償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、( ① )の( ② )まで補償される。
1) ① 既払込保険料相当額 ② 70%
2) ① 死亡保険金額 ② 80%
3) ① 責任準備金等 ② 90%
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)問題指示文一部改変
正解 | (36) 3) | (37) 3) |
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。
(36) 3)
付加保険料は、予定事業費率に基づいて計算される。
生命保険料を決める原則
- 収支相等の原則
- 大数の法則
収支相等の原則とは
「払込保険料総額 + 運用益 = 支払保険金総額 + 経費」となるように保険料を算定する。
営業保険料の概要
営業保険料 ・契約者が払い込む金額 | ||
---|---|---|
純保険料 ・将来の保険金支払の財源となる ・予定死亡率・予定利率に基づき算出 | 付加保険料 ・保険事業を維持・管理するための費用 ・予定事業費率に基づき算出 | |
死亡保険料 ・死亡保険金を支払う財源 | 生存保険料 ・満期保険金を支払う財源 |
保険料算定の基礎率
予定死亡率 | 性別・年齢別の死亡者数を予想し、将来の保険金などの支払いに充てるための必要額を算定する。 ・死亡保険では、死亡率を低く見込むと保険料は安くなる。 ・生存保険では、死亡率を低く見込むと保険料は高くなる。 |
予定利率 | 資産運用による一定の収益をあらかじめ見込んで、その分保険料を割り引く。 ・予定利率を高く見込むと保険料は安くなる。 |
予定事業費率 | 事業運営に必要な諸経費をあらかじめ見込んでいる。 ・予定事業費率を低く見込むと保険料は安くなる。 |
(類題)生命保険の保険料は、大数の法則および( ① )に基づき、予定死亡率、予定利率、( ② )の3つの予定基礎率を用いて計算される。
1) ① 適合性の原則 ② 予定事業費率
2) ① 適合性の原則 ② 予定損害率
3) ① 収支相等の原則 ② 予定事業費率
正解:3)
3級 学科試験(2023年9月10日実施)第2問ー(36)
(37) 3)
生命保険契約者保護機構の概要
補償の対象
すべての生命保険契約(医療保険や個人年金保険を含む)
保護の範囲(補償割合)
原則、責任準備金の90%
(例外)高予定利率契約の場合は、補償割合が90%未満に引き下げられる。
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