FP1級の過去問を解こう(2024年1月)「新NISA」

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今回のテーマは、「新NISA」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)《問23》

《問23》 2024年から始まった新しいNISAに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

1) ある年の年末の非課税保有額が、つみたて投資枠1,200万円、成長投資枠400万円であった場合、その翌年中に、つみたて投資枠を利用して新たに購入することができる金額の上限は120万円である。
2) ある年の年末の非課税保有額が、つみたて投資枠600万円、成長投資枠1,200万円であり、その翌年中に、つみたて投資枠の商品を簿価残高で600万円分売却した場合、同年中に、つみたて投資枠を利用して新たに購入することができる金額の上限は120万円である。
3) ある年の年末の非課税保有額が、つみたて投資枠300万円、成長投資枠700万円であった場合、その翌年中に、成長投資枠を利用して新たに購入することができる金額の上限は240万円である。
4) ある年の年末の非課税保有額が、つみたて投資枠500万円、成長投資枠1,000万円であり、その翌年中に、成長投資枠の商品を簿価残高で700万円分売却した場合、同年中に、成長投資枠を利用して新たに購入することができる金額の上限は200万円である。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)

正解:2

それでは、問題を検討していこう。

2024年1月からのNISA制度の概要

金融庁Webサイトより抜粋

1 正しい。

新NISA
生涯に非課税で投資できる額(生涯非課税限度額)は、1,800万円(うち、成長投資枠1,200万円)が上限となる。また、年間投資限度額が360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)である。

(つみたて投資枠)1,200万円+(成長投資枠)400万円=1,600万円で、生涯非課税限度額内である。
仮にすべてつみたて投資枠とすると、1,800万円ー1,600万円=200万円となる。(つみたて投資枠には内数はない。)
ただし、つみたて投資枠の年間投資限度額は、120万円である。
したがって、つみたて投資枠を利用して新たに購入することができる金額の上限は120万円である。

2 誤り。

(つみたて投資枠)600万円+(成長投資枠)1,200万円=1,800万円で、生涯非課税限度額内である。(上限額)
なお、売却した分の非課税枠が復活するのは、売却の翌年以降である。

したがって、同年中に新たに購入することはできない。

3 正しい。

(つみたて投資枠)300万円+(成長投資枠)700万円=1,000万円で、生涯非課税限度額内である。
ただし、成長投資枠の上限は1,200万円である。そして、成長投資枠の年間投資上限額は240万円である。
したがって、1,200万円ー700万円=500万円まで購入できるものの、年間投資限度額は240万円である。

4 正しい。

(つみたて投資枠)500万円+(成長投資枠)1,000万円=1,500万円で、生涯非課税限度額内である。
ただし、成長投資枠の上限は1,200万円である。そして、成長投資枠の年間投資上限額は240万円である。
なお、成長投資枠1,000万円のうち700万円分売却しても、売却した分の非課税枠が復活するのは、売却の翌年以降である。
したがって、成長投資枠を利用して新たに購入することができる金額の上限は1,200万円ー1,000万円=200万円となる。
結果、(つみたて投資枠)500万円+(成長投資枠)1,200万円=1,700万円で、生涯非課税限度額内である。

(解法のポイント)つみたて投資枠と成長投資枠のそれぞれの年間投資限度額、生涯非課税限度額をしっかりと確認しておこう。

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