今回のテーマは、「所得税の非課税所得」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)《問25》
《問25》 所得税の非課税所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 自己所有の自動車や自転車を利用して通勤している給与所得者に対し、勤務先から通常の給与に加算して支払われるべき通勤手当は、片道の通勤距離が2km未満である場合、原則として全額が所得税の課税所得となる。
2) 鉄道を利用して通勤している給与所得者に対し、勤務先から通常の給与に加算して支払われるべき通勤手当は、経済的かつ合理的な運賃等の額で、月額15万円を上限に所得税の非課税所得となる。
3) 孫が通学する大学の授業料が祖父の預金口座から支払われている場合、支払われた額は、学資に充てるため給付される金品として所得税の非課税所得となる。
4) 雇用保険の給付のうち、失業者に支給される基本手当や傷病手当は所得税の非課税所得とされるが、就業者に支給される育児休業給付金や高年齢雇用継続基本給付金は所得税の課税所得となる。
一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)
正解:4
それでは、各肢を検討していこう。
なお、問題は、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は執筆時点で現在施行されている法令等に基づいて執筆する。
1 正しい。
自己所有の自動車や自転車を利用して通勤している給与所得者に対し、勤務先から通常の給与に加算して支払われるべき通勤手当は、片道の通勤距離が2km未満である場合、原則として全額が所得税の課税所得となる。
2 正しい。
電車やバス等の交通機関や有料道路を利用して通勤している給与所得者の通勤手当は、合理的な運賃等の額で、月額15万円を上限に非課税とされる。
(類題)有料道路を使用せずに自動車で通勤している給与所得者に対し、勤務先から通常の給与に加算して支払われる通勤手当は、1カ月当たり最大で15万円までが非課税とされる。✖
1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)《問25》 ー1
3 正しい。
学資金および扶養義務を履行するために給付される金品は非課税所得である。
4 誤り。
雇用保険の給付のうち、失業者に支給される基本手当や傷病手当及び就業者に支給される育児休業給付金や高年齢雇用継続給付(基本給付金・再就職給付金)は所得税の非課税所得となる。
(類題)傷病手当金や出産手当金、出産育児一時金等の健康保険の保険給付として支給を受ける金銭は、その全額が非課税とされる。〇
1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)《問25》 ー2
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