FP2級の過去問を解こう(2024年1月)「FP業務と関連法規」

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今回のテーマは、「FP業務と関連法規」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)問題1

問題 1
ファイナンシャル・プランナー(以下「FP」という)の顧客に対する行為に関する次の記述のうち、関連法規に照らし、最も不適切なものはどれか。
1.社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、顧客の求めに応じ、老齢基礎年金や老齢厚生年金の受給要件や請求方法を無償で説明した。
2.税理士の登録を受けていないFPのBさんは、個人事業主である顧客からの依頼に基づき、当該顧客が提出すべき確定申告書を有償で代理作成した。
3.金融商品取引業の登録を受けていないFPのCさんは、顧客からiDeCo(確定拠出年金の個人型年金)について相談を受け、iDeCoの運用商品の一般的な特徴について無償で説明した。
4.司法書士の登録を受けていないFPのDさんは、顧客から将来判断能力が不十分になった場合の財産の管理を依頼され、有償で当該顧客の任意後見受任者となった。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)

正解:2

それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。(社会保険労務士法)

社会保険労務士資格がないと、有償で労働社会保険諸法令に基づく、行政機関等に提出する「申請書類の作成」、行政機関等への「手続きの代行」等を行うことができない。

なお、社会保険制度について一般的な説明は、社会保険労務士資格がなくても可能である。

社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第2条第1項第1号から第2号までに掲げる事務を業として行ってはならない。(社会保険労務士法27条本文)

  • 労働社会保険諸法令に基づいて申請書等を作成すること(2条1項第1号)
  • 上記申請書等の提出に関する手続を代行すること(同1号の2)
  • 労働社会保険諸法令に基づく申請等の代理(同1号の3)
  • 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成(同2号)

類題)社会保険労務士の登録を受けていないFPのAさんは、老齢基礎年金の繰下げ受給について相談に来た顧客に対し、繰下げ受給の仕組みや年金額の計算方法について一般的な説明を行った。(〇)
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題1肢1

2 誤り。(税理士法)

有償はもちろん、無償でも、税理士資格がないと、税理士業務を行うことができない

税理士業務
・税務代理行為
・税務書類の作成
・個別具体的な税務相談(税額計算を含む)

なお、一般的な税法の解説は、税理士資格がなくても可能である。

類題)税理士の登録を受けていないFPのBさんは、所得税の確定申告について相談に来た顧客に対し、国税庁のホームページを見せながら確定申告の方法について一般的な説明を行った。(〇)
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題1肢2

3 正しい。(金融商品取引法)

金融商品取引業者(投資助言・代理業、投資運用業)として、内閣総理大臣の登録を受けなければ、具体的な有価証券投資などの助言を行うことや、顧客から投資判断の一任を受けて投資運用を行う(投資顧問契約の締結)ことは、金融商品取引法に触れる。

なお、新聞や雑誌、書籍などを用いて経済状況や景気動向、企業業績など、投資判断の前提となる一般的な情報を知らせることは、可能である。

類題)顧客から外貨預金での資金運用について相談を受けたFPのBさんは、円安ドル高がこの先ずっと続くため、円預金の大半をドル預金に移すべきだとアドバイスをした。(✖)
2級 学科試験(2023年1月22日実施)問題1肢2

4 正しい。

司法書士資格がなくても任意後見契約の任意後見人(任意後見受任者)になることはできる。(特別な資格は不要

類題)弁護士の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーのCさんは、ひとり暮らしの高齢の顧客からの依頼により、任意後見契約を公正証書で締結した。(〇)
1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問1(c)

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