FP3級の過去問を解こう(2024年1月)「ライフプランニングと資金計画」

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今回のテーマは、「ライフプランニングと資金計画」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)【第1問】(1) ~ (6)

【第1問】 次の各文章(1)~(6)を読んで、正しいものまたは適切なものには〇で、誤っているものまたは不適切なものには✖で答えなさい。

(1) 弁護士の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーが、資産管理の相談に来た顧客の求めに応じ、有償で、当該顧客を委任者とする任意後見契約の受任者となることは、弁護士法に抵触する。
(2) 労働者災害補償保険の保険料は、労働者と事業主が折半で負担する。
(3) 国民年金の学生納付特例制度の適用を受けた期間に係る保険料のうち、追納することができる保険料は、追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。
(4) 遺族基礎年金を受給することができる遺族は、国民年金の被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持され、かつ、所定の要件を満たす「子のある配偶者」または「子」である。
(5) 日本学生支援機構の奨学金と日本政策金融公庫の教育一般貸付(国の教育ローン)は、重複して利用することができる。
(6) こども保険(学資保険)において、保険期間中に契約者(=保険料負担者)である親が死亡した場合、一般に、既払込保険料相当額の死亡保険金が支払われて保険契約は消滅する。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)問題指示文一部改変

正解(1)  ✖(2)  ✖(3)  〇(4) 〇(5) 〇

それでは、各問を検討していこう。
問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿では正解及び解説は執筆時点で施行されている法令等に基づいて執筆する。

(1)  ✖

弁護士資格がなくても任意後見契約の任意後見人(任意後見受任者)になることはできる。(特別な資格は不要)

類題)弁護士の登録を受けていないファイナンシャル・プランナーのCさんは、ひとり暮らしの高齢の顧客からの依頼により、任意後見契約を公正証書で締結した。〇
1級 学科試験<基礎編>(2023年5月28日実施)問1(c)

(2)  ✖

労働者災害補償保険の保険料は、事業主が全額負担する。

労働者災害補償保険(労災保険)
労働者の業務上または通勤途中における負傷、疾病、障害、それに伴う介護、死亡に対して必要な保険給付を行う。
アルバイト、パートなど雇用形態や労働時間に関係なく、加入が義務付けられている。
保険料は事業者が全額負担する。
保険料を計算する際の保険料率は業種により異なる。

類題)アルバイトやパートタイマーが、労働者災害補償保険の適用を受けるためには、1週間の所定労働時間が20時間を超えていなければならない。✖
3級 学科試験(2023年9月10日実施)【第1問】 (2)

(3)  〇

追納に係る厚生労働大臣の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に係るものに限られる。

学生納付特例制度
要件:20歳以上の学生
本人の前年所得が所定額以下の場合
年金額への反映:追納しなければ反映なし(追納期間は10年
受給資格期間への反映:反映される

10年分の保険料を追納する場合、直近2年分は免除を受けた当時の保険料を納めるが、3~10年前の保険料については、増額される。

類題)学生納付特例期間は、その期間に係る保険料の追納がない場合、老齢基礎年金の受給資格期間に算入されない。 ✖
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題5肢1

(4) 〇

遺族基礎年金の受給対象者
被保険者の死亡当時、生計を維持されていた次の遺族に支給される。
・子のある年収850万円未満の配偶者
・子(18歳になった年度の3月末日までの未婚の者、障害等級1級または2級の20歳未満の者)
※条件を満たす配偶者と子が同時にいる場合には、配偶者に遺族基礎年金の受給権があり、子には支給されない。

類題)遺族基礎年金および遺族厚生年金は、所得税の課税対象とならない。〇
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題7肢1

(5) 〇

重複して利用できる。

国の教育ローン(教育一般貸付)
融資元・・・日本政策金融公庫
対象校・・・高等学校、大学など(中学校以下は対象外)
融資限度額・・・学生一人につき原則350万円
返済期間・・・最長18年(在学中は利息のみの返済も可能)
金利・・・固定金利
資金使途・・・入学金、授業料、受験費用、家賃、通学定期券代、パソコン購入代、国民年金保険料など

奨学金制度
大学や自治体など、さまざまな奨学金がある。中でも日本学生支援機構の奨学金制度が代表的である。
貸与型と給付型がある。貸与型には返済義務があり、給付型には返済義務がない。
貸与型には、第一種奨学金(無利息)と第二種奨学金(有利息)の2つがある。
学生本人に資金を貸し付け、卒業後に本人が返済する制度である。
2つの奨学金の違いとして第一種奨学金(無利息)を受けられる対象者は学力基準や家計基準など選考基準が厳しい一方で、第二種奨学金(有利息)は第一種奨学金(無利息)より緩やかな基準であることが挙げられる。
また、教育一般貸付と日本学生支援機構の奨学金は併用できる

(6) ✖

契約者が死亡、または所定の高度障害や身体障害になった場合には、以降の保険料の払い込みが免除になる。

こども保険(学資保険)
生命保険会社等で販売されており、大学入学時など、設定した契約満了時に満期金が受け取れる。
小学校、中学校、高校入学時にお祝い金が受け取れる貯蓄機能があるものなど様々なタイプがある。
特徴は、契約者が死亡、または所定の高度障害や身体障害になった場合には、以降の保険料の払い込みが免除になる。保険料払い込み免除後もお祝い金は受け取れる。
また、契約者の死亡後、保険の契約満了時まで年金で受け取れる保険もある。

類題)こども保険(学資保険)では、契約者が死亡した場合、あらかじめ指定された受取人に死亡給付金が支払われる。✖
2級 学科試験(2023年9月10日実施)問題12肢4

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