FP2級の過去問を解こう(2024年9月)「贈与」

贈与税 FP

今回のテーマは、「民法上の贈与」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年9月8日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年9月8日実施)問題51

問題 51
民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1.定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。
2.負担付贈与は、受贈者の負担により利益を受ける者が贈与者以外である場合には成立しない。
3.死因贈与は、民法の遺贈に関する規定が準用されるため、贈与者のみの意思表示により成立する。
4.書面によらない贈与は、その履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。

一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年9月8日実施)

正解:1

それでは、各肢を検討していこう。

1 正しい。

定期贈与は、贈与者または受贈者の死亡によって、その効力を失う。

贈与の種類内容
定期贈与・定期の給付を目的とする贈与
・贈与者または受遺者が死亡した場合効力を失う。
負担付贈与・受遺者に一定の債務を負わせる贈与
・受贈者が債務を履行しない場合は贈与者は負担付贈与契約を解除できる。
死因贈与・贈与者の死亡により効力を生じる贈与
・贈与者が生きている間に受贈者との間で締結される契約である。
・その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用される。

2 誤り。

負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなす債務を負担させる贈与契約である。
「給付」は、贈与者に対するものでも第三者に対するものでもよい

3 誤り。

死因贈与は、贈与者の一方的な意思表示により成立しない

死因贈与は、その性質に反しない限り、民法における遺贈に関する規定が準用される。

遺贈の効力のうち、当事者の権利義務に関する991条から993条までの規定と、996条から1003条までの規定は、死因贈与にも適用される。

一方、遺贈が受遺者の関与なく行われていることを考慮して定められている遺贈の承認・放棄に関する986条から989条までの規定、遺贈者の一方的な意思表示によって行われることを考慮して定められている遺贈の無効・失効に関する994条及び995条は、契約である死因贈与には妥当しない。

4 誤り。

履行の終わった部分については解除することはできない

書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。(民法550条)

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