今回のテーマは、「特定資産の買換えにより取得した資産の圧縮記帳」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)《問31》
《問31》 法人が、所有する特定の資産を譲渡し、譲渡の日を含む事業年度において特定の資産を取得し、「特定の資産の買換えの場合の課税の特例」の適用を受けた場合の圧縮限度額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、譲渡資産の譲渡価額等は下記のとおりであるものとし、圧縮基礎取得価額に差益割合を乗じて計算した金額に乗じる割合は80%であるものとする。
1) 1,176万円
2) 1,568万円
3) 1,680万円
4) 1,800万円
一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年5月26日実施)
正解:2
それでは、問題を検討していこう。
圧縮記帳とは
本来は課税所得として、発生している特定の利益について、一定の要件のもとに、その課税所得が実現していないものみなして、その課税関係を将来に繰り延べる制度である。
特定資産の買換えにより取得した資産の圧縮記帳
次のように計算される。
圧縮限度額
圧縮基礎取得価額×差益割合×80%(または、75%、70%)
※圧縮基礎取得価額は、買換資産の取得価額と譲渡資産の譲渡価額のうち、
いずれか少ない方の金額
※差益割合=$\frac{譲渡資産の譲渡価額ー(譲渡資産の帳簿価額+譲渡費用)}{譲渡資産の譲渡価額}$
問題にあてはめると、
買換資産の取得価額(2,800万円) < 譲渡資産の譲渡価額(3,000万円)
∴圧縮基礎取得価額=2,800万円
差益割合=$\frac{3,000万円ー(800万円+100万円)}{3,000万円}$
=0.7
圧縮限度額=2,800万円 × 0.7 × 80% = 1,568万円
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