今回のテーマは、「ポートフォリオ理論」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年1月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年1月26日実施)問題28
問題 28
ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.ポートフォリオのリスクとは、一般に、組成されたポートフォリオの損失額の大きさを示すのではなく、そのポートフォリオの期待収益率からのばらつきの度合いをいう。
2.ポートフォリオのリスクのうち、分散投資によって消去可能なリスクをシステマティック・リスクという。
3.ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。
4.ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。
正解:1
それでは、各肢を検討していこう。
1 正しい。
ポートフォリオのリスクとは、一般に「期待収益率からのばらつきの度合い」を指す。これは統計的に標準偏差で表されることが多く、損失額の大きさではなく、収益率の変動の幅を示す。
2 誤り。
分散投資によって消去可能なリスクは「アンシステマティック・リスク(非市場リスク)」であり、システマティック・リスク(市場リスク)は分散投資では消去できない。システマティック・リスクは、経済全体の動向や市場の変動に影響されるリスクである。
3 誤り。
ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなることが一般的である。これは「ポートフォリオ効果」と呼ばれ、異なる資産を組み合わせることでリスクを低減できるためである。
4 誤り。
ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値と等しくなる。加重平均以上になることはない。
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