今回のテーマは、「6つの係数」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年5月25日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年5月25日実施)問題2
問題 2
ライフプランの作成の際に活用される各種係数に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.一定の利率で複利運用しながら一定期間経過後の元利合計額を試算する際、現在保有する資金の額に乗じる係数は、終価係数である。
2.一定の利率で複利運用しながら一定期間経過後に目標とする額を得るために必要な毎年一定の積立額を試算する際、目標とする額に乗じる係数は、資本回収係数である。
3.一定の利率で複利運用しながら一定期間、毎年一定金額を受け取るために必要な元本を試算する際、毎年受け取りたい金額に乗じる係数は、年金現価係数である。
4.一定の利率で複利運用しながら一定期間、毎年一定金額を積み立てた場合の一定期間経過後の元利合計額を試算する際、毎年の積立額に乗じる係数は、年金終価係数である。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年5月25日実施)
正解:2
6つの係数
終価係数 現在の額を一定の利率で運用した場合の将来の額を求める。
現価係数 将来の必要金額を得るために、一定の利率で運用する場合の現在の必要金額を求める。
年金終価係数 毎年の積立額から将来の積立合計額を求める。
減債基金係数 目標額を貯めるために必要な毎年の積立額を求める。
年金現価係数 目標の年金額を受け取るために必要な年金原資を求める。
資本回収係数 保有資金額を毎年の年金として受け取れる額を求める。
6つの係数の逆数
一時金運用の将来&現在を計算 終価係数&現価係数
積立て運用の将来&現在を計算 年金終価係数&減債基金係数
取崩し運用の将来&現在を計算 資本回収係数&年金現価係数
それでは、問題を検討していこう。
1 正しい。
「現在保有する資金 × 終価係数」→ 将来いくらになるかを求める。
2 誤り。
「毎年いくら積み立てれば目標額に届くか」を求めるには、
→ 目標額 × 減債基金係数 が正解となる。
資本回収係数は、たとえば「100万円を年5%で10年間にわたって毎年等額で回収するとしたら、毎年いくらずつ受け取る必要があるか?」というような借入金返済などの年額試算に使う係数である。
逆に「目標額を得るための積立額の算出」には使えない。
3 正しい。
年金現価係数 × 毎年の受取額 → 必要な元本を求める。
4 正しい。
毎年積立額 × 年金終価係数 → 将来の積立合計額を求める。
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