今回のテーマは、「相続・事業継承」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)【第1問】(26) ~ (30)
【第1問】 次の各文章(26)~(30)を読んで、正しいものまたは適切なものには〇で、誤っているものまたは不適切なものには✖で答えなさい。
(26) 定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者または受贈者のいずれか一方が生存している限り、その効力を失うことはない。
(27) 相続において、養子の法定相続分は、実子の法定相続分の2分の1となる。
(28) 相続税額の計算上、被相続人が生前に購入した墓碑の購入代金で、相続開始時において未払いであったものは、債務控除の対象となる。
(29) 相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額を計算する際の法定相続人の数は、相続人のうちに相続の放棄をした者がいる場合であっても、その放棄がなかったものとしたときの相続人の数とされる。
(30) 個人が、自己が所有する土地上に建築した店舗用建物を第三者に賃貸していた場合、相続税額の計算上、当該敷地は貸家建付地として評価される。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2024年1月28日実施)問題指示文一部改変
正解 | (26) ✖ | (27) ✖ | (28) ✖ | (29) 〇 | (30) 〇 |
それでは、各問を検討していこう。
問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿では正解及び解説は執筆時点で施行されている法令等に基づいて執筆する。
(26) ✖
定期贈与は、贈与者または受遺者が死亡した場合効力を失う。
贈与の種類 | 内容 |
---|---|
定期贈与 | ・定期の給付を目的とする贈与 ・贈与者または受遺者が死亡した場合効力を失う。 |
負担付贈与 | ・受遺者に一定の債務を負わせる贈与 ・受贈者が債務を履行しない場合は贈与者は負担付贈与契約を解除できる。 |
死因贈与 | ・贈与者の死亡により効力を生じる贈与 ・贈与者が生きている間に受贈者との間で締結される契約である。 ・その性質に反しない限り、遺贈に関する規定が準用される。 |
(27) ✖
相続において、養子の法定相続分は、実子の法定相続分と同じである。
被相続人の子とは、分娩の事実、嫡出推定または認知や養子縁組によって被相続人との間に法的親子関係が成立した子である。普通養子は、実親と養親の両方について、相続権を持つ。特別養子は、実親の相続権を持たない。
(28) ✖
相続税額の計算上、被相続人が生前に購入した墓碑の購入代金で、相続開始時において未払いであったものは、債務控除の対象とはならない。
項目 | 控除できるもの | 控除できないもの |
---|---|---|
債務 | ・借入金 ・不動産等の購入代金の未払金 ・未払いの医療費 ・未払いの租税公課(固定資産税、住民税、準確定申告に係る所得税など) ・事業上の債務 | ・被相続人が生前に購入した墓地、墓石や仏壇の未払金 ・遺言執行費用 ・税理士や弁護士に対する相続関連費用等 |
葬儀費用 | ・通夜、仮葬儀、本葬儀、埋葬、火葬、納骨等に要した費用 ・お寺へのお布施、戒名料 | ・香典返しの費用 ・初七日、四十九日等の法要の費用 |
(類題)被相続人が生前に購入した墓碑の購入代金で、相続開始時点で未払いのもの ✖
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題 55ー1
(29) 〇
相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額を計算する際の法定相続人の数は、相続人のうちに相続の放棄をした者がいる場合であっても、その放棄がなかったものとしたときの相続人の数とされる。
(30) 〇
個人が、自己が所有する土地上に建築した店舗用建物を第三者に賃貸していた場合、相続税額の計算上、当該敷地は貸家建付地として評価される。
貸家建付地の評価
自分の土地に建物を建てて貸している場合の土地の評価額である。
自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)=評価額
(類題)(60) 貸家建付地の相続税評価額は、( )の算式により算出される。
1) 自用地としての価額×(1-借地権割合)
2) 自用地としての価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
3) 自用地としての価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合) 3)
ファイナンシャル・プランニング技能検定 3級 学科試験(2023年9月10日実施)
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