今回のテーマは、「法人税の損金」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年5月25日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年5月25日実施)問題38
問題 38
法人税の損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.法人が役員に対し、事前確定届出給与としてあらかじめ税務署長に届け出た金額よりも多い金額を役員賞与として支給した場合、原則として、当該役員賞与の支給額は損金の額に算入することができない。
2.2024年4月1日以降に得意先に対する接待のために支出した飲食費で、参加者1人当たりの支出額が10,000円以下であるものについては、原則として、その全額を損金の額に算入することができる。
3.法人が国または地方公共団体に対して支払った寄附金は、原則として、その全額を損金の額に算入することができる。
4.法人が納付した法人税の本税および法人住民税の本税は、その全額を損金の額に算入することができる。
正解:4
それでは、各肢を検討していこう。
1 正しい。
役員に対する賞与等は、事前確定届出給与として届出された金額に限り損金算入可である。
それを超えた金額は、原則として損金不算入(法人税法第34条関係)。
2 正しい。
2024年4月1日以降の支出については、交際費等のうち、1人当たり1万円以下の飲食費で一定の要件を満たせば、全額損金算入が可能である(租税特別措置法61の4関係)。
3 正しい。
法人が国や地方公共団体に対して支出した寄附金は、全額が損金に算入される。
国や地方公共団体への寄附金は、全額損金算入可。(法人税法第37条)
4 誤り。
法人税、法人住民税の本税は損金不算入である。
法人が納付する租税公課等については原則として損金の額に算入されますが、例えば次の「損金の額に算入されない主な租税公課等」に掲げる租税公課等については損金の額に算入されません。
損金の額に算入されない主な租税公課等は次のとおりです。
(1) 法人税、地方法人税、都道府県民税および市町村民税の本税
(2) 各種加算税および各種加算金、延滞税および延滞金(地方税の納期限の延長に係る延滞金は除きます。)ならびに過怠税
(3) 罰金および科料(外国または外国の地方公共団体が課する罰金または科料に相当するものを含みます。)ならびに過料
(4) 法人税額から控除する所得税、復興特別所得税および外国法人税
No.5300 租税公課等の損金算入の可否と租税の損金算入時期(国税庁Webサイトより引用)
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