【FP1級】2026年9月・問19「定率成長配当割引モデルで理論株価を計算しよう」

FP

株式投資の理論株価を求める問題でよく出題されるのが「定率成長配当割引モデル(ゴードンモデル)」である。

一見すると難しそうな計算問題に見えるが、解法の手順は非常にシンプルだ。
今回は、ステップ形式でわかりやすく解説する。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年9月13日実施)

《問19》 X株式会社のROEが8.0%、配当性向が40%であり、X社株式1株当たりの予想配当が60円である場合、定率で配当が成長して支払われる配当割引モデルにより計算したX社株式の理論株価として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、期待収益率(割
引率)は6.4%とし、期待成長率はサスティナブル成長率と同率であるものとして計算すること。

  1. 1,250円
  2. 1,875円
  3. 2,500円
  4. 3,750円

出典:2026年9月実施 ファイナンシャル・プランニング技能検定1級 学科試験<基礎編>(一般社団法人 金融財政事情研究会)

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正解は 4 です。

前提知識(2つのステップ)

本問を解くための流れは以下の2ステップである。

  1. サステナブル成長率(期待成長率)を計算する
  2. 定率成長配当割引モデルの公式に代入して理論株価を求める

順番に確認していこう。

Step 1:サステナブル成長率(期待成長率)を求める

問題文に「期待成長率はサステナブル成長率と同率である」とあるため、まずはサステナブル成長率を計算する。

サステナブル成長率とは、「企業が稼いだ利益のうち、配当として払わずに社内に残した分(内部留保)を再投資に回したとき、どれくらい企業が成長できるか」を示す指標だ。

計算公式

$\text{サステナブル成長率 } (g) = \text{ROE} \times (1 – \text{配当性向})$

※ $(1 – \text{配当性向})$ は「内部留保率」を表す。

数値を当てはめて計算

問題文の条件を公式に当てはめる。

  • $\text{ROE} = 8.0\% = 0.08$
  • $\text{配当性向} = 40\% = 0.40$
  • $\text{内部留保率} = 1 ー 0.40 = 60\% = 0.60$

$g = 8.0\% \times (1 ー 0.40) = 8.0\% \times 0.60 = 4.8\% \quad (0.048)$

これで、期待成長率 $g = 4.8\%$ ($0.048$)であることがわかる。

Step 2:定率成長配当割引モデルで理論株価を求める

次に、定率成長配当割引モデル(ゴードンモデル)を用いて理論株価を算出する。

計算公式

$\text{理論株価 } (P) = \frac{\text{予想配当額}}{\text{期待収益率} – \text{期待成長率}}$

  • $P$:理論株価
  • $\text{予想配当額}$:1株当たりの予想配当($D_1$)
  • $\text{期待収益率}$:割引率($r$)
  • $\text{期待成長率}$:配当の成長率($g$)

数値を当てはめて計算

問題文の数値およびStep 1で求めた期待成長率を代入する。

  • $\text{予想配当額} = 60\text{円}$
  • $\text{期待収益率 } (r) = 6.4\% = 0.064$
  • $\text{期待成長率 } (g) = 4.8\% = 0.048$

$P = \frac{60}{0.064 ー 0.048} = \frac{60}{0.016} = 3,750\text{円}$

解法のポイント

  • サステナブル成長率 $= \text{ROE} \times (1 ー \text{配当性向}) = 8.0\% \times 0.6 = 4.8\%$
  • 期待収益率:6.4%
  • 期待成長率(=サステナブル成長率):4.8%
  • 期待収益率-期待成長率:1.6%
  • 理論株価 $= \frac{60\text{円}}{6.4\% – 4.8\%} = \frac{60}{0.016} = 3,750\text{円}$

解法手順さえ覚えておけば確実に得点できる問題であるため、公式とステップをしっかり押さえておこう。

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