FP2級の過去問を解こう(2024年1月)「民法上の相続人等」

相続 FP

今回のテーマは、「民法上の相続人等」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)問題 54

問題 54
民法上の相続人等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
1.離婚した元配偶者との間に出生した被相続人の子が当該元配偶者の親権に服している場合、その子は相続人とならない。
2.特別養子縁組による養子は、実方の父母および養親の相続人となる。
3.被相続人の子が廃除により相続権を失った場合、その者に被相続人の直系卑属である子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。
4.被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とみなされて相続人となる。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)

正解:3

それでは、各肢を検討していこう。
2024年1月実施の問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、正解及び解説は、本稿執筆現在施行されている法令等に基づくものとする。

1 誤り。

被相続人の子は、相続人となる。(民法887条1項)
実子か養子か嫡出子か非嫡出子かを問わず、子はすべて相続人となる。
ただし、特別養子縁組が成立すると、特別養子は、実親の相続人とならない。

離婚した元配偶者との間に出生した被相続人の子が当該元配偶者の親権に服している場合でもその子は相続人となる。

2 誤り。

養子と実方の父母及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。(民法817条の9本文)

特別養子縁組が成立すると、養子は、実方の父母との親族関係は終了する。このため、養親の相続人となる。

3 正しい。

代襲相続権とは、相続人となるべき者(被代襲者)が相続開始時に死亡その他の事由により相続権を失っているとき、その者の直系卑属(代襲者)が、その者と同一順位で相続人となることをいう。

代襲原因
・被代襲者が相続開始以前に死亡した場合
・被代襲者が相続欠格事由(民法891条)に該当する場合
・被代襲者が廃除(民法892条)された場合(民法887条2項)
なお、被代襲者が相続放棄(民法938条)をしても代襲原因とならない。

被相続人の子が廃除により相続権を失った場合、その者に被相続人の直系卑属である子がいるときは、その子(被相続人の孫)は代襲相続人となる。

4 誤り。

被相続人の配偶者は、常に相続人となる。(民法890条前段)
相続人としての「配偶者」は、法律上の婚姻関係にある夫婦の一方のことであり、内縁関係の配偶者を含まない。

被相続人と婚姻の届出をしていないが、被相続人といわゆる内縁関係にあった者は、被相続人の配偶者とはみなされない。したがって、相続人とはならない。

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