FP2級の過去問を解こう(2025年1月)「借地借家法」

宅地建物取引業 FP

今回のテーマは、「借地借家法」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年1月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2025年1月26日実施)問題46

問題 45
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第38条における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、特約については考慮しないものとする。

1.定期借家契約は、公正証書によってしなければならない。
2.定期借家契約は、契約当事者間の合意があっても、存続期間を1年未満とすることはできない。
3.普通借家契約において、賃貸人は、賃貸人および賃借人が建物の使用を必要とする事情や建物の利用状況などを考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、賃借人に対し、建物の賃貸借の解約の申入れをすることはできない。
4.普通借家契約において、賃貸人が賃借人に対して期間満了の1年前から6ヵ月前までの間に更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同じ期間で契約を更新したものとみなされる。

正解:3

この問題は、借地借家法に関する正しい理解を問うものである。特に、定期借家契約と普通借家契約の違いや契約更新、終了のルールが問われている。


それでは、肢ごとに検討していこう。


1.誤り

定期借家契約は「書面(紙または電子)で契約し、契約前に書面で説明」すれば成立する。
(借地借家法38条1項)

  • 公正証書である必要はない。
  • つまり「書面」であることが要件で、「公正証書」であることまでは求められていない。

2.誤り

定期借家契約では1年未満の契約も可能である。

なお、普通借家契約では「1年未満の契約は期間の定めがない契約とみなされる(=無期限になる)」というルールがあるが、それは定期借家契約には適用されない


3.正しい

普通借家契約では、賃貸人からの一方的な解約や更新拒絶はできない
(借地借家法28条)
正当事由」が必要で、たとえば以下のような事情を総合的に考慮して判断される。

  • 賃貸人・賃借人双方の建物使用の必要性
  • 建物の利用状況
  • 明け渡し料の提供の有無 など

4.誤り

普通借家契約で期間満了の通知がなかった場合、同じ期間ではなく「従前と同一条件」で更新されたものとみなされるだけである。
(借地借家法26条)

更新後は期間の定めのない契約になる。


したがって、正解は、
「3. 普通借家契約において、賃貸人は、正当の事由があると認められる場合でなければ、解約の申入れをすることはできない。」
となる。

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