法令基準日について

コラム

本稿の内容は、執筆時点(2024年2月27日)において、一般社団法人 金融財政事情研究会のWebサイトで確認した情報をもとにまとめたものである。

法令基準日とは

法令の改正による、試験問題への反映は、法令基準日と試験日のタイミングで決まる。
これまで、試験は原則として、毎年9月、翌年1月、5月に行われており、9月試験は、同年4月1日、翌年1月、5月は、前年10月1日の法令基準日が適用されている。

ただし、2023年11月のCBT試験(3級)の導入以後は紙試験とCBT試験では、以下の通り法令基準日の取り扱いが異なっている。
CBTとは「Computer Based Testing(コンピュータ ベースド テスティング)」の略称で、コンピュータを使った試験方式のことである。

<紙試験>
  • 法令基準日
    4月1日
    • 9月試験
  • 法令基準日
    10月1日
    • 1月試験
    • 5月試験
<CBT試験>
  • 法令基準日
    2023年4月1日
    • 2023年11月~2024年5月試験
  • 法令基準日
    2024年4月1日
    • 2024年6月~2025年2月試験

なお、2024年5月試験については、1級、2級に加えて、3級も激変緩和措置として紙試験が実施されるとのことである。
そして、2級のCBT化については、現時点では2025年度以降の実施を検討しているとのことである。
試験についての最新の情報については、一般社団法人 金融財政事情研究会又は、日本FP協会のWebサイトで必ず確認していただきたい

法令基準日の話題に戻らせていただく。金財のWebサイトでは、「なお、試験範囲に含まれる時事的問題など、FPとして当然に知っておくべき事項については、基準日にかかわらず出題される可能性がありますのでご留意ください。」との断り書きがある。
そして、試験問題の表紙をみてみると、「試験問題については、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて解答してください。」と記載されている。(1級 学科試験<基礎編>2024年1月28日(日)実施)

そして、実際にこのような出題がある。

《問34》 2024年4月1日に施行される改正不動産登記法における相続等による所有権の移転の登記(以下、「相続登記」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1) 相続によって不動産を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。
2) 法定相続分に応じて相続登記がされた後に、遺産分割協議の成立により、当該相続分を超えて所有権を取得した者は、当該遺産の分割の日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。
3) 相続登記の申請の義務化は、2024年4月1日以後に相続の開始があった場合について適用され、2024年3月31日以前に相続の開始があった場合は適用されない。
4) 相続登記の申請をすべき義務がある者が正当な理由がなく申請をしない場合に対して、不動産登記法において罰則規定が設けられている。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)

FPを目指す以上、時事問題には常に関心を持ち続けておきたいものである。
たかが1問と思われるだろうか。されど1問である。合格基準点がある以上、1問は大切にしたい。

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