今回のテーマは、「景気動向指数等」である。
CBT試験問題・2級 学科試験(2026年5月公表分)
問21
内閣府が公表する景気動向指数等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 景気動向指数は、景気の現状把握および将来予測に資するために作成された指標であり、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)がある。
2) 景気動向指数に採用されている系列は、おおむね景気の1つの山または谷が経過するごとに見直しが行われている。
3) 経済成長率は、国内総生産(GDP)がどれだけ変化したかを数値で表したものであり、内閣府が四半期および年次のデータを公表している。
4) 経済成長率には名目値と実質値があり、物価が持続的に低下する状態(デフレーション)にある場合、一般に、実質値が名目値を下回る。
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正解は 4 です。
【前提知識】
・景気動向指数
・経済成長率
1 正しい。
景気動向指数の2つの指標
| 指標名 | 概要 | 主な目的 |
| CI(コンポジット・インデックス) | 景気に敏感な指標の「量的な変化」を合成した指標。 | 景気変動の大きさやテンポ(勢い)を測定する。 |
| DI(ディフュージョン・インデックス) | 景気に敏感な指標のうち、「改善している指標の割合」を表した指標。 | 景気の各部門への波及度(波及の波の広がり)を測定する。 |
2 正しい。
見直しのタイミングとルール
タイミング: おおむね景気の1つの山または谷が経過するごと(景気の循環の節目)に定期的な見直しが行われる。
目的: 景気に対する各指標の感度を維持し、現状把握や将来予測の精度を落とさないため。
3 正しい。
経済成長率のポイント
・内閣府が「国民経済計算(QE)」として発表している。
・4四半期(1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月)ごとの四半期別速報と、年次推計がある。
・経済成長率には「名目経済成長率」と「実質経済成長率」の2種類がある。
4 誤り。
デフレ(物価下落)の状況下では、名目金額が減少していても、分母となる物価の低下率がそれを上回る場合、モノの数量ベースである実質値が名目値を上回る(実質値 > 名目値)という現象が起こる。これはお金の購買力が相対的に高まるためである。
具体例(おこづかいで買えるリンゴの数)
物価下落によって、実質的な価値が名目を上回る様子を比較しよう。
【基準時点】
- 名目値(おこづかい):1,000円
- 物価水準(リンゴ1個):100円
- 実質値(買える数量):10個 (1,000円 ÷ 100円 = 10個)
【デフレ進行後】
- 名目値(おこづかい):900円(※10%目減りした状態)
- 物価水準(リンゴ1個):50円(※50%下落した状態)
- 実質値(買える数量):18個 (900円 ÷ 50円 = 18個)
なぜ「実質値 > 名目値」になるのか
上記の例では、名目値(おこづかい)は1,000円から900円へと減少(目減り)している。
しかし、物価が「半額」になったことで、手元のお金で買えるモノの数量は10個から18個に増えた。
買い手の購買力(数量ベース)で見ると、実質的には以前より豊かになっている。そのため、物価の低下(分母の縮小)が名目値の減少(分子の縮小)を上回るとき、数式上は 実質値 > 名目値 という結果になる。
(解法のポイント)
デフレ(物価下落)のとき: 実質値 > 名目値 (実質が名目を上回る)
インフレ(物価上昇)のとき: 実質値 < 名目値 (実質が名目を下回る)


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