今回のテーマは、「各種信託商品の一般的な特徴」である。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年5月24日実施)
《問17》 各種信託商品の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 特定寄附信託は、信託銀行等が寄附に関する契約を締結した公益法人等のなかから寄附先を指定することができる信託であり、特定寄附信託の信託元本および運用収益は、所得税の寄附金控除の対象となる。
2) 特定贈与信託は、特定障害者の生活の安定に資すること等を目的に設定される信託であり、特定障害者の親族やその親族が経営する法人が委託者となって信託財産を拠出することにより、受益者である特定障害者の生活や療養の状況に応じて定期的に金銭が交付される。
3) 後見制度支援信託は、被後見人の生活の安定に資すること等を目的に設定される信託であり、法定後見制度における成年被後見人および未成年後見制度における未成年被後見人は利用の対象となるが、任意後見制度における任意後見契約の委任者は利用の対象とならない。
4) 遺言代用信託は、委託者の生存中は委託者を受益者とし、委託者の死亡後は、委託者の配偶者を受益者とする信託であり、配偶者を有しない者は利用することができない。
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正解は 3 です。
【前提知識】
・特定寄附信託
・特定贈与信託
・後見制度支援信託
・遺言代用信託
1 誤り。
運用収益は「寄附金控除の対象外」
特定寄附信託を通じて寄附を行った場合、所得税の寄附金控除(または寄附金特別控除)の対象となるのは「信託元本」に相当する部分のみである。 運用収益も全額寄附に充てられるが、運用収益に対しては非課税措置が適用されるにとどまり、寄附金控除の対象には含まれない。
寄附先を指定するのは「委託者(寄附者)」
信託銀行等はあらかじめ公益法人等と契約を締結して選択肢(リスト)を用意する立場であり、実際に寄附先を指定・選択するのは委託者(寄附する本人)である。
2 誤り。
委託者になれるのは「個人」のみ
特定贈与信託(障害者課税特例適用信託)において、財産を拠出して信託を設定できる委託者は個人に限られる。法人は委託者となることができない。
「特別障害者」と「一般障害者」での控除額の違い
試験対策としては受益者(特定障害者)の区分による贈与税の非課税限度額の違いは押さえておこう。
3 正しい。
利用対象者の範囲
- 〇 法定後見制度
成年被後見人、被保佐人、被補助人 - 〇 未成年後見制度
未成年被後見人 - × 任意後見制度
任意後見契約の委任者(※本人があらかじめ契約で定める制度であり、家庭裁判所の関与の仕方が異なるため対象外)
後見制度支援信託の概要と仕組み
後見人が本人の財産を不正に流用するのを防ぎつつ、本人の財産を安全に管理・運用するための仕組みである。
| 項目 | 内容 |
| 対象財産 | 日常的な生活費等として使うお金以外の「通常使用しない金銭」 |
| 家庭裁判所の関与 | 信託の締結、払い戻し、解約等を行うには家庭裁判所の指示書が必要 |
| 手元に残すお金 | 日常の支払いに必要な資金は、後見人が管理する普通預金口座等に残す |
4 誤り。
死亡後の受取人(帰属権利者・第二次受益者)は自由指定できる
遺言代用信託において、委託者が亡くなった後に資産を受け取る対象(第二次受益者や残余財産帰属権利者)は、配偶者に限られない。子や孫、その他の親族、第三者(特定の団体など)を自由に受取人に指定することができる。
そのため、配偶者がいない方であっても利用可能である。
「配偶者」に限定されているのは婚姻関係特例など一部の制度
相続や信託の税務特例(配偶者控除など)では配偶者限定のルールが存在するが、遺言代用信託の制度上の利用者要件として配偶者の有無が問われることはない。
(解法のポイント)
「任意後見は対象外」「手続きには家庭裁判所の指示書が必要」の2点は、後見制度支援信託の頻出論点である。


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