【FP1級】2026年5月「事業所得」

FP

今回のテーマは、「所得税の事業所得」である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年5月24日実施)

《問25》 居住者に係る所得税の事業所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1) 個人事業主が支払った事業所得を生ずべき事業の用に供する資産に係る固定資産税や不動産取得税は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することができる。
2) 個人事業主が支出した交際費で、事業所得を生ずべき事業の遂行上、直接必要と認められるものについては、事業所得の金額の計算上、その支出額の全額を必要経費に算入することができる。
3) 個人事業主が、事業所得を生ずべき事業の用に供している取得価額150万円の車両を売却した場合、事業所得の金額の計算上、当該車両の売却価額を総収入金額に算入し、当該車両の未償却残高を必要経費に算入することができる。
4) 個人事業主が、生計を一にする親族が発行済株式の全部を保有する会社が所有する建物を賃借して事業所得を生ずべき事業の用に供している場合において、当該会社に支払った適正な賃借料は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することができる。

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正解は 3 です。

【前提知識】
事業所得


1 正しい。

個人事業主が支払う税金のうち、事業に直接関係のあるものは、事業所得の計算上「必要経費」に算入することができる。

必要経費になる主な租税公課

  • 固定資産税 / 都市計画税(事業用の店舗、工場、事務所、社用車などの分)
  • 不動産取得税(事業用の不動産を購入した際のもの)
  • 登録免許税(事業用不動産の登記費用など)
  • 個人事業税
  • 消費税(税込経理方式を採用している場合)
  • 印紙税(事業に関する契約書や領収書に貼付するもの)

2 正しい。

法人の場合は交際費の損金算入に上限(原則として年800万円まで、または飲食費の50%までなど)がありますが、個人事業主の場合、交際費の金額に法的な上限(限度額)はない。

「事業の遂行上、直接必要であること」が客観的に証明できれば、支出した全額を必要経費に算入することができる。

3 誤り。

個人事業主が事業用の資産(この場合は車両)を売却したことによる損益は、事業所得ではなく「譲渡所得」として計算される。

そのため、売却価額を事業所得の「総収入金額」に算入したり、未償却残高を「必要経費」に算入したりすることはできない。

4 正しい。

一見すると「生計を一にする親族」が関係しているため、必要経費に算入できない(「生計を一にする親族に支払う地代家賃」の経費不算入のルール)ように思えるかもしれないが、今回の支払先は親族個人ではなく「会社(法人)」である。

税法上、個人と法人は完全に別個の主体として扱われる。そのため、たとえ親族が100%株式を保有する同族会社であっても、支払った賃借料が適正な金額であれば、全額を事業所得の必要経費に算入することができる。

解法のポイント
自宅兼事務所のように、プライベートと事業の両方で使用している資産の固定資産税については、事業として使用している割合(面積や時間など)に応じた金額のみが経費(家事按分)となる。

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