今回テーマは、「民法における贈与」である。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年5月24日実施)
《問42》 民法における贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 定期贈与は、贈与者が死亡した場合には、当然にその効力が失われるが、受贈者が死亡した場合には、その相続人に定期の給付を受ける権利が承継される。
2) 書面によらない贈与は、履行が終了した部分を除き、贈与者または受贈者が解除をすることができる。
3) 負担付贈与は、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者以外の第三者とすることもできる。
4) 遺言者が作成した遺言書の内容が、その作成後にした死因贈与の内容と抵触するときは、その抵触する部分については、死因贈与により遺言書の内容を撤回したものとみなされる。
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正解は1です。
【前提知識】
民法
1 誤り。
定期贈与は、贈与者が死亡した場合でも受贈者が死亡した場合でも、その効力は失われる。
(民法552条)
(定期贈与)
第五百五十二条 定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う。
(民法・e-GOV法令検索)
2 正しい。
書面によらない贈与は、履行が終了した部分を除き、贈与者または受贈者が解除をすることができる。(民法550条)
(書面によらない贈与の解除)
第五百五十条 書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
(民法・e-GOV法令検索)
3 正しい。
負担付贈与とは
贈与をする代わりに、もらう側(受贈者)に「自分の代わりに借金を返済してほしい」「老後の面倒を見てほしい」といった一定の義務を負わせる契約である。
利益を受ける者(受益者)の範囲
その義務によって利益を受ける人は、必ずしも贈与者本人である必要はない。、「贈与者以外の第三者」(例:贈与者の子どもや親族など)を利益の受け取り手として指定することも可能である。
4 正しい。
後からした処分が優先
民法1023条(遺言の抵触)は死因贈与にも準用される。作成した時期が「遺言 ➔ 死因贈与」である場合、後からなされた死因贈与が遺言者の「最終的な意思」とみなされる。
撤回とみなされる範囲
すべてが無効になるわけではなく、あくまで「抵触する(矛盾する)部分についてのみ」、前の遺言を撤回したものとみなされる。
(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第千二十三条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
(民法・e-GOV法令検索)
(解法のポイント)
「死因贈与は『契約』だから、後から遺言書で勝手に変えることはできない」という選択肢が出題されることがあるが、原則として後からの遺言で撤回可能(遺言者の最終意思を尊重するため)である。整理しておこう。


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