今回のテーマは、「相続税の非課税財産」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)問題 55
問題 55
相続税の非課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.被相続人の死亡により、相続人が被相続人に支給されるべきであった退職手当金の支給を受けた場合、当該退職手当金の支給が被相続人の死亡後5年以内に確定したものであれば、相続人は、当該退職手当金について死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
2.死亡退職金の非課税金額の規定による非課税限度額は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、被相続人の死亡時における賞与以外の普通給与の3年分に相当する金額である。
3.契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づき、相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されない。
4.死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額の計算上の相続人の数には、相続の放棄をした者は含まれない。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)
正解:3
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものする。
1 誤り。
被相続人の死亡により、相続人が被相続人に支給されるべきであった退職手当金の支給を受けた場合、当該退職手当金の支給が被相続人の死亡後3年以内に確定したものであれば、相続人は、当該退職手当金について死亡退職金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。
死亡退職金の非課税金額
500万円×法定相続人の数
2 誤り。
死亡退職金の非課税金額は、肢1の解説の通り。
なお、弔慰金の非課税金額の規定による非課税限度額は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、被相続人の死亡時における賞与以外の普通給与の3年分に相当する金額である。
また、業務外の死亡である場合、被相続人の死亡時における賞与以外の普通給与の6か月分に相当する金額である。
3 正しい。
契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づき、相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されない。
相続を放棄した者は、相続税法では、相続人とみなし、非課税金額を計算するときに法定相続人に含めるが、自身が死亡保険金を受け取っても非課税金額の適用はない。(相続税法基本通達12-8(相続を放棄した者等の取得した保険金))
4 誤り。
死亡保険金の非課税金額の規定による非課税限度額の計算上の相続人の数には、相続の放棄をした者は含まれる。
死亡保険金の非課税限度額
500万円×法定相続人の数
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