今回のテーマは、「不動産の売買契約上の留意点」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)《問35》
《問35》 不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 未成年者が、法定代理人の同意を得ずに、親権者でない成年者を代理人として土地の売買契約を締結した場合、当該売買契約は取り消すことができない。
2) 共有名義の不動産について、各共有者は他の共有者の同意を得ずに自己の持分を共有者以外の者に売却することができる。
3) 代理権を有しない者が本人に代わって行った不動産の売買契約について、本人が追認する場合、別段の意思表示がない限り、当該売買契約の効力は追認をした時から将来に向かって生じる。
4) 個人が宅地建物取引業者から住宅を購入する場合、民法、宅地建物取引業法および消費者契約法の規定が競合するときは、民法の規定が優先して適用される。
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2024年1月28日実施)
正解:2
それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものする。
1 誤り。
未成年者が、法定代理人の同意を得ずに、親権者でない成年者を代理人として土地の売買契約を締結した場合、当該売買契約は取り消すことができる。(民法5条)
2 正しい。
共有名義の不動産について、各共有者は他の共有者の同意を得ずに自己の持分を共有者以外の者に売却することができる。
3 誤り。
代理権を有しない者が本人に代わって行った不動産の売買契約について、本人が追認する場合、別段の意思表示がない限り、当該売買契約の効力は契約時にさかのぼって生じる。
無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。(民法116条本文)
4 誤り。
特別法は、民法に優先する。
個人が宅地建物取引業者から住宅を購入する場合、民法、宅地建物取引業法および消費者契約法の規定が競合するときは、その特別法の規定が優先する。
例えば、宅地建物取引において、規定が競合する場合、宅地建物取引業法の規定が優先する。
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