FP2級の過去問を解こう(2024年5月)「各種所得控除」

TAX FP

今回のテーマは、「各種所得控除」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)問題34

問題 34
所得税における各種所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1.納税者の合計所得金額が2,500万円を超える場合、基礎控除の適用を受けることはできない。
2.納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除の適用を受けることはできない。
3.納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、医療費控除の適用を受けることはできない。
4.納税者の合計所得金額が500万円を超える場合、寡婦控除の適用を受けることはできない。

一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)

正解:3

それでは、問題を検討していこう。
問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行されている法令等により出題されているが、本稿では正解及び解説は執筆時点で施行されている法令等に基づいて執筆する。

1 正しい。

基礎控除の金額

基礎控除は、納税者本人の合計所得金額に応じてそれぞれ次のとおりとなる。

納税者本人の合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

(注)令和元年分以前の基礎控除の金額は、納税者本人の合計所得金額にかかわらず、一律38万円である。

参考)No.1199 基礎控除(国税庁Webサイト)

2 正しい。

配偶者控除の金額

控除額は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額、および控除対象配偶者の年齢により次の表のとおりになる。

控除を受ける納税者本人の
合計所得金額
控除額
一般の控除対象配偶者老人控除対象配偶者
900万円以下38万円48万円
900万円超950万円以下26万円32万円
950万円超1,000万円以下13万円16万円

(注1) 配偶者が障害者の場合には、配偶者控除の他に障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円)が控除できる。

(注2) 配偶者控除の適用がない方で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であり、かつ、配偶者の合計所得金額が48万円超133万円以下(平成30年分から令和元年分までは38万円を超え123万円以下、平成29年分までは38万円を超え76万円未満)である人については、配偶者特別控除の適用を受けることができる。また、配偶者特別控除額は最高で38万円だが、配偶者特別控除の適用を受ける納税者本人の合計所得金額および配偶者の合計所得金額に応じて異なる。

参考)No.1191 配偶者控除(国税庁Webサイト)

3 誤り。

医療費控除とは

申告する人やその人と生計を一にする配偶者その他の親族のために、1年間に支払った医療費がある場合は、次のとおり計算した金額を医療費控除として、所得金額から差し引くことができる。

控除額(最高200万円
=支払った医療費の額ー保険金等で補填される金額ー(1)、(2)のうち、低い方の金額
(1)10万円
(2)総所得金額等の合計額×5%

4 正しい。

寡婦控除の金額(令和2年分以後)

区分控除額
寡婦控除27万円

寡婦控除の対象となる人の範囲(令和2年分以後)

寡婦とは、原則としてその年の12月31日の現況で、「ひとり親」に該当せず、次のいずれかに当てはまる人である。
納税者と事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいる場合は対象とならない。
(1)夫と離婚した後婚姻をしておらず、扶養親族がいる人で、合計所得金額が500万円以下の人
(2)夫と死別した後婚姻をしていない人または夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人
なお、この場合は、扶養親族の要件はありません。
(注)「夫」とは、民法上の婚姻関係にある人をいう。

参考)No.1170 寡婦控除(国税庁Webサイト)

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