FP2級の過去問を解こう(2024年5月)「所得税における各種所得」

所得税 FP

今回のテーマは、「所得税における各種所得」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)問題31

問題 32
所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.賃貸している土地を売却したことによる所得は、譲渡所得に該当する。
2.不動産の貸付けを事業的規模で行ったことにより生じた賃料収入に係る所得は、不動産所得に該当する。
3.借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際して受け取る立退き料(借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。
4.個人事業主が事業資金で購入した株式について配当金を受け取ったことによる所得は、一時所得に該当する。

一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年5月26日実施)

正解:4

それでは、問題を検討していこう。

1 正しい。

譲渡所得とは、一般的に、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得をいう。ただし、事業用の商品などの棚卸資産や山林などの譲渡による所得は、譲渡所得にはならない。

したがって、賃貸している土地を売却したことによる所得は、譲渡所得に該当する。

(参考)No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) 国税庁Webサイト

2 正しい。

不動産の貸付による所得は、不動産貸付業のように、それを生業とする場合や事業的規模の貸付であっても、事業所得ではなく、不動産所得になる。

事業的規模の貸付 家なら5棟、部屋なら10室以上の規模の貸付を行う場合をいう。

なお、不動産所得は、その不動産貸付けが事業として行われているかどうかによって、所得金額の計算上の取扱いが異なる場合がある。ただし、その規模にかかわらず不動産等の貸付による所得は「不動産所得」になる。(本問のように正誤問題で出題されやすいので注意したい。)

3 正しい。

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいう。

借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際して受け取る立退き料借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く)は、原則として一時所得に該当する。

4 誤り。

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける剰余金や利益の配当、剰余金の分配、基金利息、投資法人からの金銭の分配または投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外のもの)および特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得をいう。

したがって、個人事業主が事業資金で購入した株式について配当金を受け取ったことによる所得は、配当所得である。

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