FP2級の過去問を解こう(2024年1月)「任意加入の自動車保険」

FP

今回のテーマは、「任意加入の自動車保険」である。

それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)問題

問題 16
任意加入の自動車保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

1.自動車保険のノンフリート等級別料率制度では、人身傷害保険の保険金が支払われる場合、3等級ダウン事故となる。
2.記名被保険者が被保険自動車を運転中に、ハンドル操作を誤って散歩をしていた同居の父に接触してケガをさせた場合、対人賠償保険の補償の対象とならない。
3.台風による高潮で被保険自動車に損害が生じた場合、一般条件の車両保険の補償の対象となる。
4.記名被保険者が被保険自動車を運転中に対人事故を起こし、法律上の損害賠償責任を負担する場合、自動車損害賠償責任保険等により補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年1月28日実施)

正解:1

それでは、問題を検討していこう。
なお、問題は、特に指示のない限り、2023年10月1日現在施行の法令等に基づいて出願されているが、正解及び解説は、執筆時点の法令等に基づくものする。

1 誤り。

3等級ダウン事故(3等級ダウンする事故)とは、1等級ダウン事故(1等級ダウンする事故)・ノーカウント事故以外で、保険金を請求した事故をいう。対人賠償、対物賠償、車両保険を使った事故に限られる。
一方、人身傷害保険は、ノーカウント事故(等級に影響しない事故)となる
なお。1等級ダウン事故は、火災・爆発(飛来中または落下中の物以外の他物との衝突・接触、転覆、墜落によるものを除く。)や盗難、台風、たつ巻、洪水、高潮などの原因により車両保険のみを使用した事故をいう。

ノンフリート・フリート
フリートとは10台以上の車またはバイクを所有・使用している人がご契約をする場合の制度のことで、ほとんどの保険会社では9台以下の車またはバイクを所有・使用している人(=ノンフリート契約者)とは別の割増引制度を適用している。

2 正しい。

対人賠償保険

  • 他人(家族以外)を死傷させた場合、自賠責保険で支払われる金額を超える部分のみを補填
  • 酒酔い運転、無免許運転(免許失効中も含む)による事故も補償
  • 本人配偶者父母が被害者の場合、保険金は支払われない
  • 保険金の額は無制限にできる

類題)被保険自動車を運転中に衝突事故を起こして被保険者の配偶者がケガをした場合、対人賠償保険の補償の対象となる。✖
2級 学科試験(2023年1月22日実施)問題 17ー4

3 正しい。

車両保険

  • 衝突、接触、爆発、盗難などの事故による車両損害等に対する補償
  • 一般条件」の場合、他車との衝突、盗難火災台風による洪水高潮のほか、単独事故、当て逃げによる損害は、いずれも補償されるが、「車対車+A」(エコノミー型)などの補償範囲限定タイプは、一般に単独事故、当て逃げは補償されない
  • 地震噴火津波による損害は、特約がなければ、補償されない

類題)被保険自動車が地震を原因とする津波により水没した場合、その損害は一般条件の車両保険の補償の対象となる。✖
2級 学科試験(2023年5月28日実施)問題 17ー2

4 正しい。

記名被保険者が被保険自動車を運転中に対人事故を起こし、法律上の損害賠償責任を負担する場合、自動車損害賠償責任保険等により補償される部分を除いた額が、対人賠償保険の補償の対象となる。

類題)対人賠償保険では、被保険自動車を運転中に、対人事故を起こした被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合、自動車損害賠償責任保険等によって補償される部分を除いた額が補償の対象となる。〇
2級学科試験 2022年5月 問題 16ー2

コメント

タイトルとURLをコピーしました