今回のテーマは、「損益通算」である。
それでは、「ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年9月8日実施)」で出題された過去問にチャレンジしてみよう。
ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年9月8日実施)問題33
問題 33
Aさんの2024年分の所得の金額が以下のとおりであった場合の所得税における総所得金額として、最も適切なものはどれか。なお、▲が付された所得の金額は、その所得に損失が発生していることを意味するものとする。
1. 370万円
2. 420万円
3. 550万円
4. 600万円
一般社団法人 金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 2級 学科試験(2024年9月8日実施)
正解:3
それでは、問題を検討していこう。
損益通算とは
損益通算とは、複数の所得の中で利益と損失がある場合に、損失の所得金額を利益の所得金額から差し引くことをいう。これによって、課税所得金額が減り、税額が少なくなる。
損益通算の対象となる所得(他の所得と損益通算できる)
・不動産所得 ・事業所得 ・山林所得 ・譲渡所得
これらの頭の文字をとって「ふじさんじょう(富士山上)」と覚えるとよい。
損失があっても損益通算できない所得(以下の所得がマイナスであっても、損益通算できない)
・配当所得 ・一時所得 ・雑所得
損益通算の対象外となる譲渡所得(内部通算はできるが、他の所得と損益通算できない)
- 生活に必要でない一定の資産(ゴルフ会員権、別荘など)の譲渡損失
- 不動産所得の損失のうち、土地の取得のための負債利子(建物の取得のための負債利子は損益通算可能)
- 自己の居住用財産以外の土地、建物(賃貸用の土地・建物など)の譲渡による損失
- 生活用動産(家具や衣類、自動車など)の譲渡損失
- 株式等の譲渡損失は、他の株式等の譲渡所得と損益通算できる(内部通算)が、その後残った損失と他の所得の損益通算は不可(例外)申告分離課税を選択した、上場株式等の配当所得との損益通算は可能
以上により、
600万円 ー 50万円 = 550万円
となる。
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