【FP2級】CBT試験問題・2025年5月公表分・学科「贈与税の計算」

FP

FP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定2級試験は、CBT方式に移行している。

今回のテーマは、「贈与税の計算」である。

CBT試験問題・2級 学科試験(2025 年5月公表分) 問 52

問52
贈与税の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1) 子が同一年中に父母のそれぞれから暦年課税に係る贈与により財産を取得した場合、贈与税額の計算上、贈与税の課税価格から控除する基礎控除額は、最高で220万円である。
2) その年の1月1日において18歳以上の者が、直系尊属から暦年課税に係る贈与により財産を取得した場合、贈与税額の計算上、特例贈与財産に係る税率が適用される。
3) 相続時精算課税適用者が、2024年1月1日以後に特定贈与者から贈与により財産を取得した場合、贈与税額の計算上、基礎控除額が控除される。
4) 相続時精算課税に係る贈与税額の計算上、適用される税率は、一律20%である。

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正解は 1 です。

【前提知識】

贈与税の計算

  • 基礎控除
  • 特例贈与財産の適用条件
  • 相続時精算課税制度(2024年(令和6年)1月1日以降)

それでは、各肢を検討していこう。

1 誤り。

贈与税の基礎控除の仕組み

贈与税の基礎控除額は、受贈者(財産をもらった人)1人につき年間110万円が上限である。

  • 受贈者単位で計算: 贈与者が何人いたとしても、もらった人の受取合計額から110万円を控除する。
  • 計算例: 同一年に父から110万円、母から110万円の贈与を受けた場合、合計額は220万円となります。ここから控除できるのは110万円のみであるため、課税対象となる額は以下の通り計算される。

$$220万円 – 110万円 = 110万円$$

正誤のポイント
贈与者が複数いても、受贈者1人が1年間に控除できる額は最高110万円である。

2 正しい。

特例贈与財産の適用条件

以下の2つの条件を同時に満たす場合に、一般の税率(一般税率)よりも低い「特例税率」が適用される。

  1. 受贈者(もらう人): 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上であること。
  2. 贈与者(あげる人): 父母や祖父母などの直系尊属であること。

贈与税の計算には「一般贈与財産」と「特例贈与財産」で異なる税率表を使用する。

  • 一般税率: 兄弟間、夫婦間、親から未成年の子への贈与、または他人からの贈与に適用。
  • 特例税率: 18歳以上の子や孫が、直系尊属から受ける贈与に適用。

正誤のポイント
「18歳以上」かつ「直系尊属から」という2つのキーワードが特例税率のトリガーである。

3 正しい。

相続時精算課税制度(2024年(令和6年)1月1日以降)

年110万円の基礎控除: 暦年課税の基礎控除とは別枠で、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除(基礎控除等の控除)が設けられた。

申告不要: 特定贈与者ごとに、その年の受贈額が110万円以下であれば、贈与税の申告は原則不要となった。

加算不要: この110万円以下の部分は、将来の相続時に相続財産に加算(持ち戻し)する必要はない。

正誤のポイント
相続時精算課税を適用していても、毎年110万円までは税金がかからず、将来の相続税の対象にもならない。

4 正しい。

相続時精算課税制度における税率と計算の仕組み

相続時精算課税を適用した場合の贈与税額は、以下のステップで計算される。

  1. 基礎控除の適用: その年の贈与額から、年110万円の基礎控除を差し引く。
  2. 特別控除の適用: 残った金額から、累計2,500万円までの特別控除額を差し引く。
  3. 税率の適用: 特別控除を使い切った後の金額(課税価格)に対し、一律20%の税率を乗じて算出する。

$$贈与税額 = (贈与を受けた価額 – 基礎控除110万円 – 特別控除残額) \times 20\%$$

支払った贈与税は、将来の相続時に相続税額から差し引かれ(精算され)、引ききれない分は還付される。

暦年課税との税率比較

FP試験で混同しやすいポイントなので、整理しておこう。

項目暦年課税相続時精算課税
税率の種類超過累進税率一律(比例)税率
具体的な税率10% ~ 55%(8段階)20%
計算の単位毎年リセット特定の贈与者ごとに累計

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