今回のテーマは、「所得税における所得控除」である。
CBT試験問題・2級 学科試験(2025 年5月公表分)
問34
所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の者は、特定扶養親族に該当する。
2) 控除対象扶養親族のうち、その年の12月31日現在の年齢が70歳以上の者は、老人扶養親族に該当する。
3) 納税者の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることはできない。
4) 納税者との婚姻の届出を提出していない者であっても、納税者が加入している健康保険の被扶養者となっており、いわゆる内縁関係にあると認められる者は、控除対象配偶者に該当する。
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正解は、4です。
【前提知識】
所得税における所得控除
それでは、各肢を検討していこう。
1 正しい。
扶養控除の区分は、その年の12月31日時点の年齢によって以下のように分類される。
特定扶養親族の定義
- 年齢条件
19歳以上23歳未満 - 控除額
所得税 63万円 / 住民税 45万円
この年齢設定は、一般的に大学や専門学校等への在学期間(教育費負担が大きい時期)を想定して設けられている特例である。
(参考)その他の主な区分
- 一般の扶養親族
16歳以上19歳未満、または23歳以上70歳未満(控除額:38万円) - 老人扶養親族
70歳以上(控除額:48万円、同居父母等の場合は58万円) - 年少扶養親族
6歳未満(控除対象外、児童手当の対象)
2 正しい。
扶養親族のうちその年の12月31日現在の年齢が70歳以上の人は「老人扶養親族」に区分される。
老人扶養親族の場合、同居の有無などによって控除額がさらに細かく分かれるのがポイントである。
老人扶養親族の控除額
- 同居老親等
58万円(所得税)/ 45万円(住民税)- 納税者本人や配偶者の直系尊属(父母・祖父母など)で、常に同居している場合。
- その他(別居など)
48万円(所得税)/ 38万円(住民税)- 離れて暮らしている父母や、直系尊属以外の親族など。
3 正しい。
配偶者控除および配偶者特別控除には、納税者本人の所得制限が設けられている。
納税者の所得制限
納税者本人の合計所得金額が1,000万円(給与収入のみの場合、1,195万円)を超えると、配偶者控除の適用は受けられなくなる。
4 誤り。
事実婚・内縁関係
健康保険や年金などの社会保険制度では「被扶養者」として認められることがあるが、「配偶者控除」や「配偶者特別控除」の対象にはならない。
戸籍上の登録
その年の12月31日時点で、戸籍上の婚姻届けが受理されている必要がある。
(解法のポイント)
「税は戸籍重視、社会保障は実態重視」という違いを意識しておくと、ひっかけ問題にも対応しやすくなる。


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