【FP1級】2026年1月「個人年金保険の課税関係」

FP

今回のテーマは、「個人年金保険の課税関係」である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年1月25日実施)

《問12》 個人年金保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、契約者(=保険料負担者)、被保険者および年金受取人は同一人で
あるものとする。

1) 一時払変額個人年金保険(終身年金)を保険期間の初日から5年以内に解約し、解約差益が生じた場合、その解約差益は源泉分離課税の対象となる。
2) 外貨建変額個人年金保険(10年確定年金)を保険期間の初日から10年経過後に解約し、解約差益が生じた場合、その解約差益のうち為替差益に相当する部分の金額は雑所得として所得税の課税対象となる。
3) 定額個人年金保険(保証期間付終身年金)において、年金受取人が年金支払開始日後に保証期間分の年金額を一括して受け取った場合、当該一時金は雑所得として所得税の課税対象となる。
4) 定額個人年金保険(10年確定年金)において、保険会社が支払う年金額からその年金額に対応する払込保険料を控除した金額が年間25万円以上になる場合、その金額の20.315%が源泉徴収等される。

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正解は 3 です。

【前提知識】
個人年金保険


それでは、各肢を検討していこう。

1 誤り。

課税区分が「源泉分離」ではない理由

一時払変額個人年金保険を早期(5年以内)に解約して差益(解約返戻金 - 払込保険料)が出た場合、その所得は「一時所得」として取り扱われる。

  • 一時所得の計算
    $$所得金額 = (解約差益 – 特別控除額 50万円) \times \frac{1}{2}$$
  • 課税方法
    他の所得と合算して税率が決まる総合課税となる。

「源泉分離課税」になるケース(金融類似商品)

「5年以内の解約で源泉分離課税(20.315%)」が適用されるのは、実態が預貯金に近い「金融類似商品」とみなされる場合のみである。具体的には以下の条件をすべて満たすものを指す。

  • 一時払であること
  • 保険期間が5年以下(または5年以内に解約)
  • 普通養老保険、定期保険、一時払損害保険などであること

変額個人年金保険は、この「金融類似商品」の対象から除外されている。そのため、たとえ5年以内に解約したとしても、一律で源泉分離課税されることはなく、原則通り一時所得(総合課税)となる。

2 誤り。

外貨建変額個人年金保険を解約して得た差益は、たとえその中に為替変動による利益(為替差益相当分)が含まれていたとしても、「一時所得」として取り扱われる。

  • 原則
    生命保険や個人年金保険の解約返戻金を受け取った際の差益は、一時所得
  • 外貨建の扱い
    払い込んだ保険料(円換算)と、受け取った解約返戻金(円換算)の差額を計算し、その全体が一時所得の対象となる。

3 正しい。

ポイントは、「既に年金の受け取りが始まっている」という点にある。

  • 原則(年金受取開始前)
    年金受取前に解約して一括で受け取る場合は「解約返戻金」扱いとなり、一時所得になる。
  • 本肢の場合(年金受取開始後)
    年金として受け取る権利(年金受給権)が確定した後に、その一部(保証期間分)を将来にわたって受け取る代わりに今まとめて受け取る、という形をとると、「年金の支払い方法を変更したもの」とみなされるため、年金と同じ雑所得となる。

4 誤り。

個人年金(雑所得)の源泉徴収率は、一律 10.21%(所得税+復興特別所得税)である。

なお、「年金額 - 対応する保険料=残額(雑所得)」が 25万円以上 の場合に源泉徴収される。
また、源泉徴収の有無に関わらず、受け取った個人年金は原則として確定申告が必要である。


解法のポイント
「年金開始の一時金」というキーワードが出たら、それは「年金の変形」なので雑所得と覚えておこう。

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