【FP1級】2026年5月「退職所得」

FP

今回のテーマは、「退職所得」である。

ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級 学科試験<基礎編>(2026年5月24日実施)

《問26》 居住者であるAさんは、2025年1月に勤務先を退職し、2025年2月に退職手当を受け取るとともに、2025年3月に確定拠出年金の老齢給付金を一時金として一括で受け
取った。Aさんが受け取った退職手当および確定拠出年金の老齢給付金が下記のとおりである場合、Aさんの2025年分の退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。
なお、Aさんは、障害者および特別障害者には該当せず、役員等として勤務した期間はなかったものとする。また、記載のない事項については考慮しないものとする。
〈Aさんが受け取った退職手当および確定拠出年金の老齢給付金〉
・退職手当
支給額 : 2,400万円
支給月 : 2025年2月
勤続年数 : 36年10カ月(勤続期間:1988年4月1日~2025年1月31日)
・確定拠出年金の老齢給付金
支給額 : 450万円
支給月 : 2025年3月
加入年数 : 10年1カ月(加入期間:2015年1月~2025年1月)
掛金拠出額累計 : 270万円
※支給額は、いずれも2025年において収入すべき金額であり、所得税および復興特別所得税、住民税について源泉徴収等される前の金額である。
※Aさんは、支払者に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している。

1) 210万円
2) 295万円
3) 385万円
4) 430万円

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正解は 4 です。

前提知識
退職所得


同一年(2025年)の中に勤務先の退職手当と確定拠出年金(DC)の一時金を重複して受け取る場合の退職所得の計算手順は以下の通りである。

勤続年数(加入年数)の計算

まず、それぞれの年数を算定する(端数は切り上げ)。

  • 退職手当の勤続年数
    1988年4月1日〜2025年1月31日(36年10カ月) $\rightarrow$37年
  • DCの加入年数
    2015年1月〜2025年1月(10年1カ月) $\rightarrow$11年

通算勤続年数と退職所得控除額の計算

同一年に2つ以上の退職手当等を受け取る場合、重複期間を二重に控除しないよう、最も古い開始日から最も新しい終了日までの全期間(通算勤続期間)をもとに勤続年数を計算する。

  • 通算勤続期間
    1988年4月1日〜2025年1月31日(36年10カ月) $\rightarrow$37年

退職所得控除額の計算式(勤続年数20年超の場合)

$$\text{退職所得控除額} = 800\text{万円} + 70\text{万円} \times (\text{勤続年数} – 20\text{年})$$

  • 控除額の計算
    $$800\text{万円} + 70\text{万円} \times (37\text{年} – 20\text{年}) = 800\text{万円} + 1,190\text{万円} = \mathbf{1,990\text{万円}}$$

退職所得の金額の計算

収入金額の合計から退職所得控除額を差し引き、2分に1を乗じる。

  • 収入金額の合計
    $$2,400\text{万円} + 450\text{万円} = \mathbf{2,850\text{万円}}$$
  • 退職所得の金額
    $$(\text{収入金額} – \text{退職所得控除額}) \times \frac{1}{2}$$$$(2,850\text{万円} – 1,990\text{万円}) \times \frac{1}{2} = 860\text{万円} \times \frac{1}{2} = \mathbf{430\text{万円}}$$

したがって、最も適切なものは 4) 430万円 となる。

※確定拠出年金(DC)の掛金拠出額累計について
退職所得の計算に必要なのは「実際の支給額(450万円)」と「加入期間(10年1カ月)」であり、掛金拠出額累計(270万円)は計算に影響しない。
「270万円を差し引いた運用益だけに課税されるのでは?」といったミスを誘うためのダミー数値である。


解法のポイント
退職所得の金額
(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額
2分の1をするのを忘れずに。

(参考)
No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)(国税庁Webサイト)

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